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現在の与死球王や最多登板は誰だ? プロ野球・裏タイトルからみるスタッツ王を探る


 激戦が続くプロ野球。今季は激しいタイトル争いが繰り広げられそうな気配がある。

 しかし、マニア的に面白いのは裏タイトル争い。前回は野手の二塁打王争い、三塁打王争いなどをまとめた。

 今回は投手の裏タイトル争いを見てみよう。(成績は6月14日終了時点)

最多登板


【セ・リーグ】
秋吉亮(ヤクルト)
田島慎二(中日)
33試合

ジャクソン(広島)
ルーキ(ヤクルト)
田原誠次(巨人)
31試合

【パ・リーグ】
サファテ(ソフトバンク)
33試合

塚原頌平(オリックス)
32試合

 リーグ1番の働き者を示す最多登板。セ・リーグでは昨季74登板でリーグ1位の秋吉、64登板で4位の田島が今年も元気に投げまくっている。ジャクソン、ルーキ、田原は新興勢力。夏場の失速なく、多投実績のある上位2人に食らい付けるか。

 パ・リーグは昨年トップの増田達至(西武・72登板)、2位の武隈祥太(西武・67登板)がそれぞれ24登板と29登板に落ち着く。牧田和久のリリーフ完全転向もあり、休息の機会を得た形だ。休んでいる分、今年は夏場に失速しないように力を溜めておきたい。


最多投球回数


【セ・リーグ】
菅野智之(巨人)
96回

メッセンジャー(阪神)
88回

【パ・リーグ】
則本昂大(楽天)
93回

涌井秀章(ロッテ)
87回

 良質なイニングイーターを洗い出せる最多投球回数。昨年は大野雄大(中日)が207.1回、則本昂大(楽天)が194.2回を投げ、投球回数キングに輝いた。特に大野は、表タイトルは受賞なし。投球回数に1年の成果が表れた。

 今年のセ・リーグは無類の安定感を見せる菅野がトップ独走中。則本は表タイトルの奪三振でもトップを走っており、昨季と同様、表・最多奪三振、裏・最多投球回数のダブル獲りも狙える位置だ。


WHIP王


【セ・リーグ】
菅野智之(巨人)
0.81

今永昇太(DeNA)
0.99

【パ・リーグ】
バンデンハーク(ソフトバンク)
0.92

有原航平(日本ハム)
1.01

 1イニングで平均何人の出塁を許すかを示すWHIP。セ・リーグは防御率順に並んだが、パ・リーグはやや異なり、バンデンハークは防御率では実は11位(3.41)。被安打は少ないものの、一発に泣いている。有原は防御率と同様の2位。

 防御率1位の石川歩(ロッテ)はWHIPでは3位の1.07。走者を出しても粘りのピッチングで防御率1.30をマークしている。

与死球王


【セ・リーグ】
山中浩史(ヤクルト)
7個

ジョーダン(中日)ほか5名
5個

【パ・リーグ】
牧田和久(西武)
佐藤勇(西武)
スタンリッジ(ロッテ)
5個

大谷翔平(日本ハム)ほか5名
4個

 強気の投球で内角をゴリゴリ攻める投手が見える与四球数。山中と牧田、セ・パ2人のサブマリンが早くもトップに名を連ねた。牧田は昨季も11死球で吉川光夫(日本ハム)と並んでトップだった。アンダースローといえど、打者は覚悟が必要だ。

 2014年、2015年と2年続けて11死球をぶち当て、名誉か不名誉かセの与死球キングに輝いていたのは藤浪晋太郎(阪神)。しかし、今季はいまだ3与死球に留まっている。今季は勢いをやや欠いているように見えるが、もしかすると調子がいいほど当ててしまうタイプかも知れない!?


最優秀被打率


【セ・リーグ】
菅野智之(巨人)
.189

岩貞祐太(阪神)
.201

【パ・リーグ】

バンデンハーク(ソフトバンク)
.202

大谷翔平(日本ハム)
.205

 最優秀防御率と重なりそうな指標だが、こちらもややずれる。昨年はセ・リーグでマイコラス(巨人)が最優秀被打率.205をマークしている。今年は圧倒的投球の菅野は納得だが、WHIPと同様、防御率とは裏腹にバンデンハークがパ・リーグトップを走っている。これぞ裏タイトルの醍醐味。今年のバンデンハークには裏タイトルマニアの胸を熱くさせる“何か”がありそうだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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