パ・リーグのペナントレースは、1、2位が大きく抜け出しているため、焦点は3位争いに絞られた。9月13日の直接対決では、5-4でロッテが勝利。この試合の終了時点で、西武が3位、ロッテが4位で追う展開となっている。
今江は7月14日のオリックス戦で死球を受け、左手首周辺を2カ所骨折。その診断結果は全治6〜8週間という厳しいものだった。本格的なバッティング練習を再開できたのは8月下旬。そこから9月5日の2軍戦に1試合出ただけで、1軍に緊急招集されていた。
しかし14年目のベテランは、急仕上げでも結果を出す。復帰戦となった9月10日のオリックス戦では、6番サードでスタメン出場し、いきなり1打席目からレフト前ヒット。また、守備でも、同点で迎えた8回無死一、三塁というピンチで、三遊間を抜けようかという痛烈な打球を、横っ飛びでキャッチ。すぐさまホームへの好送球で三塁ランナーを刺すビッグプレーを見せた。翌11日も4打数2安打と活躍。さすがの存在感を発揮した。
今季が3年目となる加藤は、昨年は98試合に出場して打率.253という成績を残したが、今季は二軍で打率.289とそれなりに結果を出すも、なかなか出番に恵まれず。9月4日に1軍登録されたのも、角中の戦線離脱による代役だった。
加藤は昇格後の6試合で、17打数5安打と躍動。俊足で、なおかつスイッチヒッターであり、スタメンだけでなく、代打や代走など、勝負どころでの起用も十分ありそうだ。
さらにもう1選手、キーマンとして紹介したいのが角中勝也だ。ご存じのとおり、9月4日に死球を受けて骨折後、現在は登録抹消中の角中は、全治6〜8週間という診断で、CSに間に合うかどうか。
主将でもある鈴木大地が「角中さんの早期復帰を信じて、チーム一丸で頑張りたい」と話すなど、ナインの結束を高める効果は大きい。グラウンドでの貢献はできなくとも、心の支えとしてチームに無形の力を与えるのではないか。
今江と加藤が加わり、角中効果もあってこれまで以上に一致団結するようなら、西武との3位争いも優位に運べるかもしれない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)