今季の二塁打王、三塁打王は!?プロ野球裏タイトル王者に輝いたのは誰?(パ・リーグ編)
今季のプロ野球はレギュラーシーズンが終わり、今季の選手成績が確定。首位打者、本塁打王などの公式タイトルとともに、二塁打王、三塁打王など裏タイトル争いを制したパ・リーグ戦士を紹介しよう。
パ・リーグ“表”タイトル
≪首位打者≫
柳田悠岐(ソフトバンク)打率.363
≪本塁打王≫
中村剛也(西武)37本塁打
≪打点王≫
中村剛也(西武)124打点
≪最多安打≫
秋山翔吾(西武)216安打
≪盗塁王≫
中島卓也(日本ハム)34盗塁
≪最高出塁率≫
柳田悠岐(ソフトバンク)出塁率.469
≪最優秀防御率≫
大谷翔平(日本ハム)防御率2.24
≪最多勝≫
大谷翔平(日本ハム)15勝
涌井秀章(ロッテ)15勝
≪最高勝率≫
大谷翔平(日本ハム)勝率.750
≪最多セーブ≫
サファテ(ソフトバンク)41セーブ
≪最優秀中継ぎ投手≫
増田達至(西武)42ホールドポイント
≪最多奪三振≫
則本昂大(楽天)215奪三振
パ・リーグ“裏”タイトル
≪二塁打王≫
清田育宏(ロッテ)38本
リーグ4位の打率.317をマークし、本格的にブレイクを果たした清田がトップ。2位の秋山翔吾(西武)とは2本差。主要タイトルの獲得はならなかったが、来季へと繋がる裏タイトルを得た。来季は、谷佳知(オリックス・引退)が2001年にマークした日本記録の52本を目指したい。
≪三塁打王≫
秋山翔吾(西武)10本
シーズン安打数日本新記録を叩き出した秋山がトップ。1番打者たる走塁能力を見せつけた。2位は西川遥輝(日本ハム)で9本。続く3位は5本で、秋山・西川のツートップが他の追随を許さなかった。7月末の時点では西川が8本、秋山が5本だったが、終盤になって大逆転。三塁打は運の要素も強い。秋山はやはり今季、「もっていた」、といえるだろう。
≪三振王≫
中村剛也(西武)172三振
本塁打王と打点王を獲得した中村が三振王も獲得し、表裏三冠王に輝いた。今季はフル出場に加えて、オールスター前後に三振ラッシュに陥り、数字が増えた。今季の三振ランキングは中村を筆頭にメヒア、森友哉、浅村栄斗と4位まで西武勢が独占。全員、打者として悪い成績は残しておらず、「豪快型野球」の勲章とも言えるだろう。
≪四球王≫
柳田悠岐(ソフトバンク)88四球
トリプルスリーを達成し、首位打者にも輝いた柳田がトップ。常にフルスイングかつ脅威の高打率.363を残した柳田には、攻め手のない投手も多かった。シーズン出塁率.469は過去30年間で6位となる好記録だ。
≪死球王≫
ペーニャ(楽天)16死球
踏み込みが深く、なおかつ内角に穴があるペーニャがトップ。ロッテや西武などは小競り合いも辞さない姿勢でガツガツ内角を突き、ペーニャをイライラさせる作戦に出ていた。2位は柳田で14死球。柳田は昨季も16死球で2位。今季はシーズン終盤に左ヒザ裏に死球を受け途中交代。万全の状態ではない中、クライマックスシリーズへの出場を余儀なくされた。
≪犠打王≫
今宮健太(ソフトバンク)35犠打
ソフトバンクの小技師・今宮が2年連続のバントキング。昨年は62犠打で断トツだったが、今年は打撃不振で打順を下げたこともあり、数が減ってしまった。2位は中島卓也(日本ハム)で34犠打。1991年生まれの若手2人がしのぎを削っている。
≪得点圏首位打者≫
柳田悠岐(ソフトバンク)得点圏打率.413
ソフトバンクを首位に導いた立役者はやはりチャンスでも強かった。全シチュエーションで打率3割を切るのは、走者三塁時のみ。それでも17打数5安打(打率.294)を残した。特に走者一・三塁の場面では脅威の打率.636。チャンスになればなるほど怖い打者だ。
≪最多登板≫
増田達至(西武)72登板
42HPで最優秀中継ぎ投手を獲得した増田がトップ。チームの苦しいリリーフ事情もあって、2位の武隈祥太(西武・67登板)とともに投げまくった。楽天の若き守護神となった松井裕樹は63登板で5位にランクイン。防御率0.87は両リーグのクローザーでトップの成績だった。
≪最多完投≫
大谷翔平(日本ハム)5完投
岸孝之(西武)5完投
日本ハムと西武の両エースが5完投で並んだ。大谷はリーグトップの3完封もマークしている。昨年、9完投で断トツのトップだった則本昂大(楽天)は今季は3完投で3位タイ。クローザー・松井裕樹(楽天)が一本立ちしたこともあり、負担が明らかに減った。
≪最多投球回数≫
則本昂大(楽天)194.2回
完投数は減ったが、気力でイニングを稼いだ則本が2年連続の最多投球回数に輝いた。2013年のデビュー以来、3年間フル稼働で3年連続2ケタ勝利。球界を代表する「イニングイーター」は、投球回数、勝利をどこまで積み上げらるのか、見守っていきたい。
≪最多QS≫
則本昂大(楽天)22回
先発投手が6回以上を投げ、自責点3以内で抑えたときに記録されるクオリティー・スタート。28試合で22QS(78.57%)を記録した。取りこぼした6試合中4試合はロッテ戦。6試合で1勝4敗と相性が悪い。またQS率では、西勇輝(オリックス)が 19QS/24試合(79.17%)でトップ。
≪最優秀WHIP≫
大谷翔平(日本ハム)0.91
1イニングで平均何人の走者を許したかを指標にしたWHIP。抜群の安定感を見せた大谷が規定投球回以上を投げた投手では、パ・リーグ唯一となる0点台を記録した。ソフトバンク以外のチームに対しては、0.7〜0.8台と神の宿る投球。一方、ソフトバンクにはWHIP1.42、防御率6.58とカモにされた。
≪最多与死球≫
牧田和久(西武)11与死球
吉川光夫(日本ハム)11与死球
牧田は2年連続での最多与死球。対牧田の打席では、ベースぎりぎりに立ち、死球を狙う打者もチラホラ…。球速的にも「避けない」選択をされた結果とも言えるだろう。吉川は乱調癖が大きな要因。9月3日のロッテ戦では4回に井口資仁の右ヒザに死球を当てて途中交代させ、さらに7回にはバントの構えの角中勝也に向かって球がすっぽ抜け、薬指&小指をへし折り今季絶望に追い込んだ。ロッテや西武との死球合戦の口火を切らなければいいが…。
≪最多敗≫
石川歩(ロッテ)12敗
2年目の石川が最多敗。しかし、防御率3.43とそれなりのピッチングを見せており、12勝を挙げている。野手陣の援護が少ない試合も目立ったが、強敵・ソフトバンクに対して3戦全敗を喫したことが大きく影響した。とはいえ、2年連続でローテを守った実力は本物。来季こそは「鷹狩り」といきたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)
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