平良は沖縄の北山(ほくざん)高校出身。いわゆる野球強豪校ではなく、甲子園の出場もなし。それでも、沖縄大会などで見せた素質を見込まれ、2013年のドラフト5位で巨人に入団した。
1軍での登板は、昨季の巨人時代の1度きり。3回2/3を投げて、4失点で敗戦投手となった。
ただ、巨人時代も期待されていなかったわけではない。2016年オフには、高木勇人、岡本和真とともにプエルトリコのウインターリーグに派遣され、武者修行。現地のカロリーナ・ヒガンテスに所属し、リリーフとして5試合に登板した。
結果は5回2失点、防御率3.60だったが、この2失点は塁上にランナーを残して降板したあとに、後続の投手が打たれたもの。トータルではまずまずと言っていい成績だった。
11月上旬から年末まで、約2か月近く異国でもまれたことで、野球人としてもひと回り大きく成長できたに違いない。
一方巨人の一員となった山口は、右肩の違和感によりファームでの調整が続いており、まだ1軍では未登板。交流戦での1軍合流が予定されている。
昨季、DeNAで11勝5敗という成績を残していた山口の穴を、この先、平良がどこまで埋められるか。注目したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)