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《当世「背番号18」事情》エースナンバー受難の時代? 各球団の「背番号18」の今季成績は?


 プロ野球のエースナンバーといえば18番。プロ野球黎明期に若林忠志(大阪タイガースほか)、野口二郎(東京セネタース)などが背番号18で活躍し、また歌舞伎の「十八番(おはこ)」を連想させるという興行的な語呂のよさもあり、「背番号18=エース」という概念は今にも通じている。

 球団によっては中日の背番号20などをはじめ、別のエースナンバーを有するところもあるが、やはり背番号18はエース級の活躍が期待される投手に与えられる特別な背番号になっている。

 今季、各球団の「背番号18」の成績はどうだったのだろうか。並べて見てみよう。

(成績は10月2日時点)

今季の「背番号18」の成績


【広島東洋カープ】
背番号18不在(昨季までは前田健太)

【読売ジャイアンツ】
杉内俊哉(36歳):1軍登板なし

【横浜DeNAベイスターズ】
三浦大輔(43歳):3試合/0勝3敗/防御率11.05

【阪神タイガース】
藤川球児(36歳):43試合/5勝6/10ホールド/3セーブ/防御率4.60

【東京ヤクルトスワローズ】
杉浦稔大(24歳):17試合/3勝2敗/防御率7.14

【中日ドラゴンズ】
鈴木翔太(21歳):1軍登板なし

【北海道日本ハムファイターズ】
斎藤佑樹(28歳):11試合/0勝1敗/防御率4.56

【福岡ソフトバンクホークス】
松坂大輔(36歳):1試合/0勝0敗/防御率18.00

【千葉ロッテマリーンズ】
藤岡貴裕(27歳):31試合 1勝1敗/5ホールド/防御率2.61

【埼玉西武ライオンズ】
多和田真三郎(23歳):18試合/7勝5敗/防御率4.38

【東北楽天ゴールデンイーグルス】
背番号18不在

【オリックス・バファローズ】
岸田護(35歳):16試合/0勝0敗/6ホールド/防御率7.90

最多勝利はルーキーの多和田!


 「先発エース」のイメージが強い背番号18だが、こうして並べてみると実は最多勝利数は西武のルーキー・多和田真三郎の7勝だった。

 先発らしい先発といえば三浦大輔(DeNA)だが、周知の通り引退決定。長年愛されてきた背番号18は「横浜ナンバー」として、一旦封印されることが決まった。

 また、杉内俊哉(巨人)は昨オフに受けた右股関節手術からの復帰が遅れて、今季は1軍登板なし。松坂大輔(ソフトバンク)も最終戦で復帰登板を果たしたが、1回5失点の乱調ぶり……。

 そのほか、杉浦稔大(ヤクルト)、斎藤佑樹(日本ハム)、岸田護(オリックス)も冴えなかった。

 リリーフ陣ではロッテの藤岡貴裕が奮闘したものの、左ヒジ痛の影響もあって2軍調整の期間も長く、フル稼働とはいかず。藤川球児(阪神)も先発からリリーフ、さらにはビハインド時の登板と徐々にポジションを落とす結果になった。

 田中将大(ヤンキース)や前田健太(ドジャース)が抜け、日本球界の背番号18の価値はやや下降気味なのかも知れない。

 日本球界伝統の背番号18の復活へ。来季、12球団の背番号18はエースたる投球を見せられるのか注目だ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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