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開幕2連敗から歩んだ連勝街道! 亜細亜大の秋春連覇で幕を閉じた東都大学春季リーグを振り返る

★自力優勝の可能性を残していた國學院大だったが…

 今春の東都大学野球リーグ戦は亜細亜大が最終週で連勝し、優勝を決めた。
 しかし、この前週に唯一自力優勝の可能性を残していたのは國學院大。それまで開幕から勝ち点を落とさず、5カード目の東洋大戦も勝ち点を挙げれば、文句なしの優勝という状況だった……。

 初戦は主将、久保田昌也(4年・龍谷大平安高)が本塁打を含む全3打点を挙げる活躍もあり、3−2で勝利。王手をかけた2戦目は終盤に先制されながらも、直後に追いついてみせたが、決勝点を許し、2−3と接戦を落とした。

 敗れれば優勝は翌週の結果待ちとなってしまう第3戦目。序盤に3ラン、2ランを献上していきなり5点のビハインドを背負う苦しい展開に。しかし、ここで踏ん張り追加点は許さず。その一方で、打線は1点ずつ返し、7回にも1点を返して、ついに2点差。なおも無死二塁と好機が続く。だが犠打が決まらず、2ストライクと追い込まれ、ヒッティングに切り替えたのちに三振。続く打者も三振で2死二塁と勢いが弱まりかけた……が、連続タイムリーで同点に追いついた。

 試合を振り出しに戻す意地を見せたが、この直後に2死から四球で出塁したランナーに二盗、三盗を許し、暴投で勝ち越しのホームを踏まれた。これが決勝点となり國學院大は5−6で敗戦。

 優勝決定は最終週に持ち越され、1カードを残していた亜細亜大に自力優勝の芽が復活した。

★チーム全員で勝ち取った亜細亜大の逆転優勝

 亜細亜大は開幕カードで國學院大に2連敗を喫したものの、以降は1敗もせず6連勝で最終カードを迎えた。

 勝ち点を挙げれば優勝となる日本大との対戦。初戦は5−0で亜細亜大が完勝、優勝まであと1勝とした。

 そして翌日、日本大に先制を許したものの抜かりのない攻撃で主導権を握る。同点に追いついて迎えた3回、1死二、三塁から内野ゴロで勝ち越すと、宗接唯人(4年・神戸国際大付高)のタイムリーで3−1とする。そして5回には、再び宗接のタイムリー、山本卓弥(1年・神村学園高)の2点タイムリーが飛び出す。さらに次打者の打席時、一塁牽制の間に三塁走者の正隨優弥(2年・大阪桐蔭高)が本塁を陥れて、7−1と大きくリードを広げた。


▲最終戦は4打数4安打と活躍した宗接



▲ホームスチールをした正隨


 3回からリリーフした嘉陽宗一郎(3年・松山聖陵高)は日大打線を抑え込んでいたが8回、1死満塁のピンチを迎えたところで投手交代。諏訪洸(4年・下妻二高)が開幕戦以来のマウンドへ上がった。

 前回登板は味方が逆転した裏に救援したが、3安打を浴び2失点。犠打の1死のみで降板、敗戦投手となっていた。

 点差があるとはいえ、粋な起用に諏訪が応えてみせる。
 1死満塁のピンチは併殺打に打ち取り、最終回は相手を寄せ付けることなく三者凡退で試合終了。繋がりを見せた打線に、エースの復活登板。勝ち点4で3チームが並ぶ混戦となったリーグ戦は、最高の形で亜細亜大が締めくくった。


▲諏訪は完全救援で優勝投手に



▲逆転優勝で歓喜に沸く亜細亜大の選手たち

★春の大学野球はまだまだ終わらない!

 亜細亜大は6月6日から行われる全日本大学選手権に出場する。2002年以来となる大学選手権優勝を狙う亜細亜大は、8日に初戦が行われる。


▲表彰を受ける選手たち

 そして大学選手権閉幕後には入れ替え戦が予定されている。まず1部・2部が行われ、翌週に2部・3部、3部・4部入れ替え戦が神宮球場で開催。対戦カードは以下の通り。

6月13日〜
中央大(1部最下位)vs.青山学院大(2部優勝)

6月20日〜
成蹊大(3部最下位)vs.一橋大(4部優勝)
国士舘大(2部最下位)vs.順天堂大(3部優勝)

 ここ数年、1部・2部の入れ替えはよく行われているが、2部・3部での入れ替えは起こっていない。さて今季は“入替戦”となるか“入れ替わらない戦”となるか、注目したい。


文=山田沙希子(やまだ・さきこ)
東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速中。イベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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