高校野球の“イマ”にググっとクローズアップしていく「高校野球最前線」。夏の甲子園が100回の記念大会を迎える今年は例年以上に注目度は高まっている。「週刊野球太郎」では「夏まで待てない!」という高校野球ファンのために、最新の高校野球情報をお届けしていく。
春季地区大会の大トリとなった東北大会。決勝は11回連続で夏の甲子園に出場中で、センバツでも勝利を挙げた福島の絶対王者・聖光学院と、東北の雄・東北(宮城)が激突。聖光学院が延長10回、2対1で接戦を制し、2年連続で優勝を果たした。
矢吹栄希、五味卓馬、須田優真らプロ注目の野手が揃い、“歴代最強”とも言われる聖光学院打線。しかし、決勝では4回に先制点を挙げるも、東北の147キロ右腕・中山翔太に苦しめられる。
試合は、聖光学院のサイドスロー・高坂右京と東北・中山の投手戦となり、1対1で延長戦に。10回裏に東北の2番手投手から須田がサヨナラ安打を放ち、試合を決めた。
聖光学院は、夏の福島大会12連覇に向けて弾みをつけた。甲子園ではベスト8の壁に阻まれ続けているが、今年こそ突破を目指したい。
各地の春季大会が終わり、早くも沖縄では6月23日から夏の選手権大会が始まる。
注目は昨夏の覇者の興南。2010年に同校を春夏連覇に導いた島袋洋奨(ソフトバンク)の再来と呼び声の高い宮城大弥を擁している。対抗馬に挙げたいのは、春季沖縄県大会決勝で興南を1対0で下し、九州大会では準決勝まで進んだ未来沖縄だ。
興南が2年連続出場を果たすか。新興勢力の未来沖縄が春の甲子園切符を勝ち取るか。他の強豪校の戦いも含め、熱戦を楽しみたい。
センバツ、春季近畿大会で連続優勝。夏の甲子園出場も間違いなしと言われる王者・大阪桐蔭(大阪)。しかし、愛知県高野連主催の2日間にわたる招待試合で2日目に連敗を喫し、行く先にやや暗雲が立ち込めた。
1日目こそ東邦に12対5、桜丘に4対2と連勝したものの、2日目は中京大中京に4対12、愛産大三河に5対6で敗戦した。
ただ、大阪桐蔭の西谷浩一監督は危機感を抱くコメントを残しつつも、本番前に課題が見つかったことを前向きにとらえていた。この連敗を機にさらに大阪桐蔭は強くなるのか。2カ月後にはその結果がわかる。
春季大会が終わり、球児はすで夏へ向けて駆け出している。ファンにとっても息つく暇もない目まぐるしさだが、しっかりと見届けたい。
参加校が増える第100回記念大会はミレニアム世代の台頭もあり、さらに盛り上がることは必至だ。記念の年に立ち会える贅沢を噛みしめたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)