6月5日、梶谷隆幸がホームスチールで一旦アウトの判定も、コリジョンルール適用により判定が覆り、セーフとなった。
5月17日の読売ジャイアンツ戦では、倉本寿彦が本塁突入する中、コリジョンルールに則り、走塁を確保しながら待ち構える巨人小林誠捕手に対し、絶妙にタッチをかいくぐり、その後「忍者走塁」で本塁を手中に収めた。コリジョンルールを厳守する相手側の隙を突いた、巧みな走塁だった。
さらにさかのぼる事3月30日も、ホセ・ロペスが同じ巨人の小林からホームクロスプレーにて得点している。
この選手たちがコリジョンルールを意識していたかどうかは別にして、チームとしては「積極走塁」の戦術がもたらした得点といえる。
◎これぞコリジョンルール対応のお手本!
走塁については結果的にコリジョンルールの恩恵に浴した、と言えるかも知れないが、守備においてコリジョンルールを味方につけるには、日ごろの訓練でしか身につけることはできないだろう。
今年ルーキーながら正捕手の座を見事手中に収めた戸柱恭孝のコリジョンルールへの対応が素晴らしい。5月19日の巨人戦にて、1点を取りにきた巨人は三塁走者に代走・寺内崇幸を送り、直後の右飛からタッチアップ。桑原将志からの返球はわずかにショートバウンドとなるも、難なく捕球し、きっちりと走路を確保した左膝はそのままに、ミットはしっかりと本塁を守るように寺内の手にタッチした。
本年よりバッテリーコーチに就任した光山英和氏との日頃の対策の成果とのことだが、コリジョンルールへの対応としてお手本といえる「神対応」プレーとして絶賛された。
現在セントラルリーグにおける防御率1位のDeNAを支える正捕手の功労はインサイドワークのみならず、なのである。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)