春の訪れを告げる、第87回選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)の開幕が間近となってきた。今回は「日本一可愛い高校野球ファン」との呼び声もある乃木坂46・衛藤美彩さんに、高校野球が自身に与えた影響などを熱く熱く語ってもらった。
――衛藤さんが野球を好きになったきっかけは?
衛藤 小さい頃は体が弱かったので、(自発的にではなく)母に連れられるようなカタチでお兄ちゃんの野球をよく観に行っていたんです。
両親の野球への情熱がすごくて、いつも土日は兄優先。最初はやっぱり、少し嫌でしたね。当時は野球にも興味なかったですし。
――どこから野球を好きになっていった感じですか?
衛藤 兄が中学からリトルシニア(硬式野球)のチームに入って、よりいっそう本気で野球やっていることがわかってきてからですね。私も小学校高学年になってルールもわかってきましたし。
お兄ちゃんが中学の時は、山口県のきららドームというところで、当時は広島県のリトルシニアにいた中田翔さん(現日本ハム)と対戦したんですよ。当時から中田翔さんは有名だったので、勝った時は大盛り上がりして、私も泣いちゃったのを覚えています。
――そして、その後、お兄さんが高校に進学し、ついに「高校野球好き」となるわけですね。
衛藤 はい! もう、そこで忘れない試合があって……今こうして喋っていても泣きそうになるんですけど……。
――なんとか泣かずにその話を聞かせてください(笑)。
衛藤 すみません(笑)。お兄ちゃんが高校3年の夏に、大分大会で上位まで進出したんですよ。その最後となった試合で、お兄ちゃんは最終回にヒットを打つんです。
――最後まで諦めない姿勢を見せたんですね。
衛藤 はい。それで私も逆転を信じていたんですけど、次の打者のライナーにお兄ちゃんが飛び出してしまい、フォースアウト。お兄ちゃんが最後のアウトとなってしまったんです。
そうしたら、普段はグラウンドでは感情を出さないお兄ちゃんが、泣き崩れて立てなくなって……。監督や主将に抱えられながら、ベンチに戻ってきて。そんなお兄ちゃんを見たのは初めてだったので、私も嗚咽するぐらい泣いてしまいました。
――それは忘れられない体験ですね。過去の衛藤さんの高校野球関連のインタビューを見ても、そういう「敗者の美学」が基となっていますよね。
衛藤 そうですね。もともと、どこかのチームが好きだったというわけではなく、お兄ちゃんが原点なので、今でも負けている方を自然と応援してしまいます。
――センバツに出場する球児たちへメッセージをお願いします。
衛藤 冬の間にずっとやってきた走り込みだとか、そういう見えない地味な努力の差が、目に見えて結果に出るのが春のセンバツだと思うんです。
だから、そこで溜めていたものを思い切り出して欲しいですね。注目されていなかったり、評価の低いチームには、それを見返すぐらいの気持ちで、相手の名前に負けないで頑張って欲しいです。出られない学校もたくさんある中での代表なので、胸を張って堂々と戦って欲しいです。
――今年に入って、球児たちのなかでも「好きな芸能人」の欄に乃木坂46のメンバーを書く子も出てきました。
衛藤 嬉しいですね! 大阪か、どこかの学校で乃木坂の曲を使ってくれているという話を聞いたことがあって、嬉しかったなあ。
――ちなみに大学野球では國學院大が『おいでシャンプー』(2thシングル)を使って「おいでチャンス〜」って歌ってますよ。
衛藤 えぇーー! それイイですね! 嬉しい!! 理想は全部9曲やって欲しいです。欲張りですが夢は大きく(笑)、いち早く取り入れてくれた高校があれば、私たちは応援しますよ!!
次回予告『球児よ、ボウズ頭を誇れ』&衛藤美彩の忘れられない夏
衛藤さんのトークが、より熱くなります!!
企画原案及びキャスティング(取材協力):柳川貴裕
インタビュー:高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動開始。大学野球を中心にアマチュア野球、ラグビー、ボクシングなどを取材している。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』は随時更新中。Twitterアカウントは@you_the_ballad(https://tiwitter.com/you_the_ballad)