数いる有望若手選手のなかでも、このキャンプで特に注目を浴びているのが細川成也(DeNA)だ。ドラフト5位の高卒ルーキーながら1軍に大抜擢され、「茨城の中田翔」と噂された打棒が冴え渡っている。
フリー打撃でバックスクリーン直撃弾を放つなど、持ち前のパワーを見せつけていたが、初の対外試合となった2月13日の阪神戦でも、初打席に豪快な本塁打をバックスクリーンに放り込み、周囲のド肝を抜いた。
高卒新人による初対外試合初打席初本塁打は、チームの先輩にして侍ジャパンの主砲・筒香嘉智ですらなし得なかった偉業だけに期待が高まる。細川を1軍に帯同させたラミレス監督の彗眼に「あっぱれ」と言いたい!
連日のように佐々木千隼の動向がスポーツ紙を飾っているロッテだが、「熱い若手」はまだまだいる。
まずは、昨年のドラフトで佐々木に次いで2位指名された酒居知史。フリー打撃に登板すると、高濱卓也、井上晴哉、加藤翔平らをてこずらせるストレートを投じた。
対戦した打者陣は、口々に「益田(直也、ロッテ)のよう」と、その印象を話しており、いきなりのブレイクも夢ではなささそうだ。
また打者では、Lamigo(台湾)との対外試合に7番・遊撃で出場した2年目の平沢大河に注目。4打席で本塁打と三塁打を1本ずつ放つなど、レギュラー獲りへ向けて猛アピールしている。
鈴木大地を二塁にコンバートして、遊撃を若手に競わせている伊東勤監督の目論見が功を奏している模様だ。
福良淳一監督の若手へのカミナリが、なかなか鳴りやまない宮崎のオリックスキャンプ。そんな状況で、唯一(?)叱られていないと思われる若手が、昨シーズンにブレイクを果たした2年目の吉田正尚だ。
8日に行われた1、2軍合同の紅白戦で白組の4番に座ると、2度の打席で1本塁打、2打点を挙げる活躍。他球団の007スコアラーの目前で、紅組の4番を務めたT-岡田をも脅かす推定130メートル弾を放った。
福良監督は「打って当然」とばかりに、3ボールとカウントを悪くしてから吉田正に一発を浴びた投手を責めたが、内心、吉田正の順調な成長ぶりが嬉しくないはずがない。
2年目のジンクスとは無縁に思える吉田正。昨季の10本塁打を超えてどれだけアーチをかけられるか。
ほかにも田中正義(ソフトバンク)を始め、山田哲人(ヤクルト)にそっくりな打撃フォームの廣岡大志(ヤクルト)、外野挑戦中の岡本和真(巨人)など、今季は例年以上に気になる若手が盛りだくさん。
今キャンプは、後に振り返ったときに「世代交代の節目の年」だったとなるかもしれない。
ただ、順調に存在感をアピールしている若手がいる一方、寺島成輝(ヤクルト)や今井達也(西武)のようにケガで離脱してしまった選手もいる。とはいえシーズンはまだまだこれから。プロ野球人生も始まったばかりなので、焦らず階段を登ってほしい。
文=森田真悟(もりた・しんご)