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《ソフトバンクV奪回への道! 2017年の傾向と対策》〜西武編〜 長距離砲と辻発彦新監督に要注意


 昨季は歴史に残る大逆転でリーグ3連覇を逃したソフトバンク。

 チャレンジャーとして再び優勝を狙う2017年。リーグ制覇を争うライバル球団と、どう戦うべきか?

 ホークスファンの筆者が独断と偏見でお送りする「ソフトバンクV奪回への道! 2017年の傾向と対策」。第3回は辻発彦新監督体制で巻き返しを狙う昨年5位の西武編!

対西武は6年連続で勝ち越し中


 昨季のソフトバンクの対西武の成績は15勝9敗1分。前回の「楽天編」でも触れたが、細川亨が西武からソフトバンクに移籍した2011年から6年連続で西武に勝ち越している。

 南海、ダイエー時代はユニフォームを見るのも嫌だった西武への苦手意識を払拭したどころか、ここ数年は完全に“お得意様モード”で西武戦に臨んでいた。


ホームランアーティストの一発が怖い強力打線


 とはいえ、いつもソフトバンクが簡単に勝っているわけではない。昨季を見ると、クローザーのサファテが対戦した11球団のなかで最多となる9セーブを西武戦で挙げていることからも、両チームの対戦はクロスゲームになることが多い。

 さらにパ・リーグ5球団のなかで、もっとも安打を浴びたのが西武戦(212被安打、次は日本ハム戦で207被安打)。また、被本塁打も西武戦では28本。優勝した日本ハム(30被本塁打)に次いで打たれた

 メヒアには7本塁打、中村剛也には5本塁打、森友哉には4本塁打。これら西武の3選手は、いずれもソフトバンク戦で多くのホームランを打っている。

 一発に泣いた試合が多かった昨季のソフトバンクにとって、ホームランアーティストの多い西武は、厄介なチームなのだ。

伊原春樹、伊東勤、渡辺久信ら元西武監督の共通点は?


 さらに今季、用心したいのは西武の辻発彦新監督。

 西武の“新監督”にまつわることで着目したいのは、2000年代になって就任した監督のうち、伊原春樹(2002年就任)、伊東勤(2004年就任)、渡辺久信(2008年就任)と、3名もの監督が“監督就任元年”に優勝を果たしている。

 辻 “監督就任元年”となる今季の西武はあなどれない。

 西武黄金時代は広岡達朗監督と森祇晶監督、ヤクルト時代は野村克也監督(いずれも当時)の下でプレーした辻監督がどのような采配を振るうのか。

 特に注目したいのは内野手のポジション争いだ。

 昨季の西武は、三塁には渡辺直人(49試合)、中村剛也(48試合)、金子侑司(29試合)ら9名を起用。遊撃には鬼崎裕司(60試合)、永江恭平(54試合)、呉念庭(42試合)ら7名が就き、ポジションを固定できなかった(試合数は先発、途中出場含めてのもの)。現役時代、ゴールデン・グラブ賞に8度輝いた辻監督だけに守りをどう固めてくるのか。

 そして、炭谷銀仁朗と森友哉による正捕手争いと、その起用法も気になるところだ。

 元々、西武は個々の能力の高いチームだけに、起用法がはまるとソフトバンクにとって脅威な存在になるのは間違いない。


文=溝手孝司(みぞて・たかし)
北海道生まれ北海道育ちも、ホークスファン歴約40年。北海道日本ハムファイターズの本拠地がある札幌市在住で広告代理店を営む47歳。年男である。

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