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《2016年プロ野球お立ち台大賞!》大谷翔平&陽岱鋼、由規、鈴木大地 〜ありがとう編〜


 野球の試合が終わり、最後を締めくくるのはお立ち台でのヒーローインタビューだ。試合の数だけお立ち台がある。今シーズンも数々のパフォーマンスが披露され、名言、迷言が飛び出した。

週刊野球太郎では連載特集「2016プロ野球お立ち台大賞!」で、今シーズンのお立ち台で印象に残ったシーンを紹介していく。第3回は「お立ち台での“ありがとう”」だ。

「僕のために来てくれてありがとう」(大谷翔平・陽岱鋼/日本ハム/6月12日)


 6月12日、阪神との交流戦で160キロを連発し7回無失点の好投を見せた大谷翔平と先制ホームランを放った陽岱鋼がお立ち台に登った。淡々と試合を淡々と振り返った2人は、ファンへのメッセージを最後に求められる。

 ここで陽は「今日は僕のために来てくれてありがとうございます(笑)」と言って笑いを誘うと、大谷も負けじと「僕のために来てくれてありがとうございます(笑)」と陽のコメントに「僕のために」を被せて笑いを誘った。

 「自分のために来てくれてありがとうございます」とお立ち台で言うことは好成績を残したからこそ使える“高度な”言い回しだ。それをサラリと言ってしまう陽と大谷はやはりすごい。


「5年間待っていてくれてありがとう」(由規/ヤクルト/8月4日)


 7月9日、神宮球場で1771日ぶりの復帰登板を果たした由規。復帰2戦目にはナゴヤドームで復帰後初勝利を飾り、7月24日に再び神宮球場に戻ってきた。その登板で6回無失点と試合を作り、1797日ぶりに神宮球場で勝利を挙げた。

 ヒーローインタビューで由規は、5年間もの長期間に渡り戦列を離れていたにもかかわらず、待ってくれていた神宮のファンに感謝を述べた。

「神宮のマウンドで投げて、勝って、お立ち台に上がることをずっと考えながらやってきました。5年間待っていてくれて、ありがとうございます」

 今季の由規は“復活”ではない。あくまで“復帰”だ。来季こそは“復活”した姿を神宮のファンに見せてほしい。

「美味しいところをありがとう」(鈴木大地/ロッテ/9月26日)


 シーズン最終盤の9月26日、CSで対戦する可能性があったソフトバンクを相手に3対2でサヨナラ勝ちを収めたロッテ。同点ホームランの中村奨吾、好リリーフの南昌輝そして、サヨナラタイムリーを放った鈴木大地の3人がヒーローインタビューに臨んだ。

 サヨナラタイムリーを放った鈴木大地はキャプテンらしく「みんなでつないでくれて、美味しいところをありがとうございます」とチームメートに感謝するコメントを発した。

 シーズン終盤のロッテは、上位2チームとも下位チームともゲーム差があり、熾烈な順位争いをする状況にいなかった。ややもすると目標を失いそうだったが、この試合で2位のソフトバンクに対し執念のサヨナラ勝ちを収めた。

 チームメートに感謝し、CSでの下克上を狙うキャプテン・鈴木大地の一言には暖かさが感じられた。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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