開催国:プエルトリコ
派遣先チーム:カロリーナ・ヒガンテス
注目の派遣選手:岡本和真、高木勇人、平良拳太郎(ともに巨人)
岡本和真:20試合/打率.231/0本/5打点
高木勇人:5試合/0勝3敗/投球回21/奪三振10/与四球17/防御率3.43
平良拳太郎:4試合/0勝0敗/投球回5/奪三振3/与四球1/防御率3.60
今シーズンのプエルトリコのウインターリーグには、巨人からは岡本和真、高木勇人、平良拳太郎の3選手が派遣されている。
今季は村田修一(巨人)とのレギュラー争いを期待されたシーズンだったが、1軍での出場はわずか3試合に終わった岡本和真。昨年のシーズンオフは台湾で行われたウインターリーグに参戦。今年は中南米のプエルトリコでのウインターリーグに参加となった。
岡本はプエルトリコで20試合に出場。打率.231(65打数15安打)、0本塁打、5打点の成績を残している。15安打のうち2塁打は5本放っているが本塁打が1本もないのは少し寂しい。豪快な一発を期待したい。
プロ2年目の今季は5勝9敗とルーキーイヤーから成績を落とした高木勇人。プエルトリコでは5試合に先発し0勝3敗、防御率3.43。勝ち星、防御率も今ひとつだが四球の多さが目につく。21イニングを投げて17四球は明らかに多い。ボール、マウンド、気候の違いと慣れないなかでの投球だが、もう一皮むけてほしいところだ。
今季の平良拳太郎は1軍、2軍ともに先発での起用だったが、プエルトリコでは中継ぎを任され、登板した4試合のうち3試合を無失点に抑える好投を見せている。来季の1軍定着へ向け期待がかかる。
開催国:オーストラリア
派遣先チーム:メルボルン・エイシズ
注目の派遣選手:本田圭佑、野田昇吾、駒月仁人(ともに西武)
本田圭佑:2試合/1勝0敗/投球回12.1/奪三振11/与四球3/防御率0.73
野田昇吾:3試合/0勝0敗/投球回3.2/奪三振3/与四球2/防御率4.91
駒月仁人:出場なし
ここ数年、オフシーズンに西武から数名の選手が派遣され、にわかに注目を浴びているオーストラリアのウインターリーグ。今年は本田圭佑、野田昇吾、駒月仁人の3選手が派遣された。オーストラリアン・ベースボールリーグのアデレード・バイトでは、昨季、ヤクルトでプレーしたデニングもプレーしている。
本田は、10月末からメキシコで行われたWBSC U-23ワールドカップにも出場し、日本代表の優勝に貢献。メキシコから帰国後にチームの練習に参加し、すぐさまオーストラリアへと戦いの場を移した。
オーストラリアでの本田は2試合に登板し1勝0敗、防御率0.73とここでも躍動。2戦目の登板となったアデレート・バイト戦ではデニングと対戦しノーヒットに封じ込めた。
来季の西武投手陣に目を向けると、FAで楽天へ移籍が決まったエース・岸孝之の穴が空いた。岸と同じ東北学院大学出身の本田はこの冬を実りあるものとし、来季の開幕ローテーション入りを目指している。
野田はオーストラリアで3試合に中継ぎ登板。初戦こそ失点したものの2戦目は無失点に抑えており、まずまずの内容といったところか。失点を喫した初登板こそ1回を投げきることができなかったが、2戦目、3戦目では回跨ぎでの投球も行っている。
来季から捕手に再転向する駒月は、現在のところ出場機会ゼロ。だが、オーストラリアでは捕手としの技術力向上のほかに、コミュニケーション力の向上にも目を向け、「元々人と会話するのが積極的ではないが殻を破って積極的に取りたい。英語で話すことができたら、日本人とのコミュニケーションはもっと簡単になる」と、前向きに意気込んでいる。
また、オーストラリアにはルートインBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスの竹内大地も参戦している。竹内は6試合に出場し打率1割台と結果はまだ出ていないが、ここでの経験を生かしてほしい。なお、公式サイトでは「Daiuchi Takeuchi」と表記されているが、「Daichi」の「Dai」と「chi」の間に「u」が挟まっている誤表記はご愛嬌だ。
デニングがプレーしているアデレード・バイトには、元日本人独立リーガーが所属している。四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスでプレーしていた植田健太郎だ。植田は11月26日に代打で初出場を果たしたが、死球という結果に終わっている。今後の活躍に期待したい。
開催国:台湾
イースタン選抜、ウエスタン選抜として参加
11月25日から台湾を舞台に2016アジアウインターリーグベースボールが始まった。NPBのイースタン選抜、ウエスタン選抜に加え、欧州選抜なども参加するなど盛り上がりを見せている。
本稿執筆時は、開幕した直後ということもあり成績が出揃っていないがイースタン選抜にはオコエ瑠偉(楽天)、平沢大河(ロッテ)、桜井俊貴(巨人)、原樹理(ヤクルト)、ウエスタン選抜には吉田正尚(オリックス)と2015年ドラフト1位ルーキーたちが顔を揃えており注目度は高い。
12月15日までがリーグ戦、その後、プレーオフ、優勝決定戦も控えている。若手期待株たちの激しい戦いはまだまだ続く。
文=勝田 聡(かつた・さとし)