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【新人王大予想 〜セ・リーグ編】本命は上茶谷大河に清水昇、対抗は高橋優貴。野手なら村上宗隆か!?

文=落合初春

【新人王大予想 〜セ・リーグ編】本命は上茶谷大河に清水昇、対抗は高橋優貴。野手なら村上宗隆か!?
 いよいよオープン戦開幕。各球団、ルーキーや期待の若手たちが開幕1軍をかけてしのぎを削っている。

 今回、ドラフト勢を中心に2019年の新人王を予想してみたい。パ・リーグ編に引き続きセ・リーグ編!

上茶谷大河と清水昇が新人王争いの中心だが…


 投手で新人王候補に挙がるのは当然、DeNA1位の上茶谷大河だろう。昨季のDeNAは自慢の左腕王国が崩壊し、若手のフル動員を余儀なくされた。そこでチームを救ったのが東克樹。結果として新人王に輝く活躍を見せた。しかし、なおも先発陣の候補はいても、投げてみないとわからない不安は続いている。上茶谷も順調ならば、開幕ローテ入りしてくるはず。同様にヤクルト1位の清水昇も手薄な先発陣に入ってきそうだ。

 この2人が中心になるだろうが、両者ともに実戦の球速が140キロ台中盤〜後半の右腕。やや小粒に映ってしまうのも事実だ。大学時代の成績を見ると上茶谷は大学4年春にはじめて結果を残した遅咲きで、清水は昨秋は調子を落とした。現段階では「プロならよくいる投手」にも思える。

 そこで1〜2位以外にも目を向けると、実戦派のルーキーは多い。本命に押したいのはDeNA3位の大貫晋一だ。大学・社会人を経て入団した、ちょっぴりオールドルーキーの25歳の右腕。球速こそ140キロ台だが、経験に裏打ちされた投球術は上茶谷以上のモノがある。

 ツーシーム、シンカー、カットボールと球を動かす技術に長け、制球力もいい。アマチュア最高峰の社会人野球で「安定感」を示している。

評価急上昇中の巨人・高橋優貴が対抗


 対抗に挙げたいのは、巨人1位の高橋優貴。外れ外れ1位で巨人ファンからは「誰……」の声も挙がったが、キャンプでグングン評価を伸ばしている。

 八戸学院大時代は北東北大学リーグ故に全国での露出が少なく、未知の部分も大きかったが、左打者の外に逃げるスライダーやスクリューの精度が高く、変化球でもポンポンとストライクを取れる。

 昨年の新人王・東克樹のように「初モノ左腕」の強みを生かせば、2ケタ勝利も夢ではない。ただし、先発ローテに入るには「叩き上げロード」に乗る必要がある。オープン戦で結果を残し、原辰徳監督の秘蔵っ子になりたい。

野手は2年目の村上宗隆に注目


 野手の注目ルーキーはやはり阪神1位・近本光司。実戦に入るとシュアなバッティングを見せており、矢野燿大監督が好む「機動力」にも合致する戦力だ。開幕スタートダッシュに成功すれば、中堅の定位置獲りもあり得る。

 阪神ではドラ3・木浪聖也も評価を上げている。内野全ポジションが守れる上、攻守で安定したプレーを見せており、貴重な内野バックアップになれそうだ。一塁・マルテ、二塁・糸原健斗、遊撃・北條史也、三塁・大山悠輔、それに鳥谷敬が揃って活躍すれば御の字だが、現実的にはそうはいかないだろう。どこにでも食い込める木浪が、気がつけば連日スタメンを張っているなんていうこともありそうだ。

 ドラフト上位では、DeNA2位・伊藤裕季也も二塁のポジション争いができる位置。キャンプは2軍スタートだったが、ラミレス監督の「ルーキー好き」もあり、まだまだ開幕1軍が狙える。

 高卒2年目・村上宗隆(ヤクルト)は「叩き上げ」候補。昨季は高卒ルーキーながら、2軍で98試合に出場。打率.288、17本塁打、70打点、16盗塁の成績を収め侍ジャパンに選出。3月のメキシコ戦で日の丸を背負う。

 今キャンプでは高校時代に守っていた一塁の練習もしており、オプションも増えた。高齢の外野陣が無事とは限らず、そうなれば坂口智隆が外野に回る。村上の出番は、今年は「優先」されるだろう。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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