「清原みたいな破天荒な人間は、今でもプロ野球の世界にはいっぱいいると思うんですよ。ただ、清原みたいにバカ正直な人がいないだけで」
球界OBで応援したいのは清原なんだけど、現役選手で気になっているのは母校(早稲田実業)の後輩・日本ハムの斎藤佑樹です。別に日本ハムが悪いわけじゃないけども、大谷翔平とか中田翔がいて、ドラフト1位で大学(早稲田大)の後輩(有原航平)が入ってきて、居心地悪くないのかな? っていうね。
甲子園では、中田をキリキリ舞いにさせたわけじゃないですか。高校時代は大谷よりも眩しい立場にいて、大学でももちろん有原よりも騒がれていたのに、何で俺は今、(日本ハム2軍の本拠地)鎌ヶ谷にいるんだろう……自分が斎藤佑樹だったら、そう考えてると思うんですよ。
だから、日本ハムは斎藤をリリースしてあげてほしい。もういいでしょう。ドラフト1位で獲得したからには無責任なことができない、という考えもあるでしょうけど、やっぱり相性はありますよ。ジャイアンツなんかピッチャーが少ないから重宝されると思うし、もしくは大学時代のように神宮球場を舞台にできるヤクルトに移籍するとかね。環境を変えてがんばってほしいですね。
斎藤佑樹のように、「お前、こんなもんじゃないだろう!?」という選手でもう一人挙げたいのは、やっぱりソフトバンクの松坂大輔。もう、どうしちゃったんだろうね。
ただあれは、ソフトバンクも悪いと思うよ。(年俸)4億とか出し過ぎですよ。個人的には2億円ぐらいじゃなかったのか、という印象です。ジャイアンツも獲得を狙っていたと報道されてますけど、今のフロントは賢いから、ある一定の額以上は出さない。でも、ソフトバンクはお金があるから4億も出してしまった。それは、選手を甘えさせるだけですよ。
とはいっても、高校時代、西武時代、そしてWBCと日本の野球を盛り上げてくれた恩人ですから。がんばってほしいですよね。
■プロフィール
テリー伊藤(てりーいとう)/1949年東京都生まれ。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大に入学。大学卒業後、テレビ番組制作会社「IVSテレビ」に入社し、『天才たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)、『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)などヒット番組を手掛け、演出家として名を馳せる。その後、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、そして、これまで共著も含めて40冊以上を刊行する著作家としても活躍する。最新刊『長嶋茂雄を思うと、涙が出てくるのはなぜだろう』(ポプラ新書)が発売された。
■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)