暦の上ではすでに秋。さすがに暑さも徐々に和らいできたが、そうなると懸念されるのが本格シーズンに突入する台風だ。
今週末も、日本列島に2個の大型台風の接近が予想されており、気をもんでいる人もいることだろう。
最近では、7月16日に岡山マスカットスタジアムでの開催が予定されていたフレッシュオールスターが、台風接近のため17日に順延となり、結局17日も開催不可能ということで中止に。12球団のマスコットとの撮影会ができる限定チケットも発売されていて、楽しみにしていたファンも多かっただろうが、こちらも残念ながらお流れとなってしまった。
岡山マスカットスタジアムは、屋外球場。では、ドーム球場なら大丈夫かと言えば、これが決してそうではない。
現在、巨人(東京ドーム)、ソフトバンク(ヤフオクドーム)、中日(ナゴヤドーム)、日本ハム(札幌ドーム)、西武(西武プリンスドーム)、オリックス(京セラドーム)の6球団がドーム球場を本拠地としていて、さすがに屋外の球場よりは、天候による中止の可能性は低いが、それでも過去に20回以上もドーム球場の試合中止は発生しているのだ。
初の公式戦の中止は東京ドームで、開場3年目のシーズンの1990年8月10日、巨人対中日戦。台風11号の影響で交通機関がマヒしたため、やむなく中止となった。もちろん、試合をやろうと思えばできただろうが、移動手段が絶たれれば、観客の安全も確保できなくなり、ドーム球場といえども中止を余儀なくされる。
このように、多くは交通機関の乱れによる中止だが、2009年9月12日にナゴヤドームで行われる予定だった中日対広島戦は、東海地方の集中豪雨が原因。台風ではなかったが、大雨によりナゴヤドーム内に大量の雨水が流れ込み、屋内なのに、グラウンドの人工芝も水に浸かってしまい、中止に追い込まれた。
なお、秋にかけて大事なゲームが増えてくるが、台風にとってはそんなことは関係ない。
2004年の10月20日の日本シリーズ第4戦、西武対中日の試合は、台風23号接近により中止、翌日に順延になっており、記憶に新しいところでは、京セラドームで行われる予定だった昨年の10月13日のパ・リーグのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦、オリックス対日本ハムの試合が、台風19号の影響で中止・順延となっている。
余談だが、仕切り直して行われた上記シリーズの翌日の試合は、西武ドームでの一戦は西武が、京セラドームでの試合はオリックスが、いずれも敗れている。不測の事態となれば、ホームチームのほうが有利に思えるが、決してそうではなかった。
いずれにしても、ここから秋にかけては台風が毎週のように発生することも珍しくない。ドーム球場に試合観戦に訪れる際は、「屋根付きだから大丈夫」と油断することなく、天気予報にも注意しておいたほうがいいだろう。