2016年、新年を迎えたプロ野球界。『野球太郎』では、今年のプロ野球が絶対に面白くなる「見どころ」を、厳選して紹介していく。今回は、2016年のプロ野球を盛り上げる、新監督たちにクローズアップしてみた。
今季のプロ野球は新監督が4人も誕生。パ・リーグでは昨季最下位に沈んだ楽天の再建を託された梨田昌孝監督。セ・リーグでは、現役生活を終えて間もない高橋由伸(巨人)青年監督のほか、同じくオフの話題をさらった金本知憲(阪神)。そして、12球団唯一の外国人監督として、アレックス・ラミレス新監督がDeNAの指揮を執る。
現役時代は、数々の面白パフォーマンスを披露したラミレス監督。本塁打を放ち、グラウンドを一周してベンチ前でハイタッチを終えた後、テレビカメラに向かって「アイーン」や「ゲッツ!」、「ラミちゃんペッ!」など、数々のパフォーマンスを演じた。
その後も「ハイ! ハイ! ハイ、ハイ、ハイ!」や「ラミちゃんチッチキチー」など、お笑い芸人たちの一発ギャグを採用。巨人移籍後も「そんなの関係ない!」「ハイ! オッパッピー!」「ラララライ! ラララライ!」など。思い返せばラミレスのパフォーマンスは、一発屋として終わってしまった芸人たちの哀しい墓標と化している。ラミレスが採用した一発芸は、ことごとくブーム終焉へと導かれている感は否めない。
一部報道では「パフォーマンス封印」宣言も飛び出しているが、そこはラテンの血を引くベネズエラ出身のラミレス監督。低迷するチームに対して「アンシンシテクダサイ」と、片言の日本語でナインを鼓舞するパフォーマンスをみせる可能性はあるだろう。
日本人監督も負けてはいられない。なかでも注目したいのが、楽天・梨田監督のパフォーマンスだ。
日本ハム監督時代には2度のリーグ優勝を誇り、4年間で3度のAクラス入りを果たすなど、過去の采配実績は申し分なし。しかし、その実績よりも目立っているのが、監督就任直後から止まるところを知らない「ダジャレ」の数々である。
ドラフト戦略について問われると「コメントは”なしだ”」と言い残して車に乗り込み、1位指名したオコエ瑠偉に対しては「相当期待したい。いい”お声”をかけたい」と、ちょっとどころか、かなり無理のあるダジャレを放った。
今年8月には63歳になる梨田監督は、周囲を凍らせる寒いダジャレを連発してもお構いなし。12球団最年長監督でもあり、他球団の監督たちがこの暴走を止めることは容易ではないだろう。
果たしてラミレス、梨田両監督に匹敵するパフォーマンスをみせることができる新監督はいるのか。可能性は低いものの、「大穴」として期待したいのが巨人・高橋由伸監督のパフォーマンスだ。
昨年のドラフト会議直前に、突然の監督就任依頼を受けたヨシノブ監督。振り返れば、前監督の原辰徳氏のパフォーマンスは秀逸であった。
「ジャイアンツ愛」を掲げ、ベンチ前でグータッチを連発。また2009年には、WBCで侍ジャパンのメンバーでもあった内海哲也のピリッとしない状態について「偽サムライ」呼ばわりするなど、ユーモアを含めた叱咤激励もお手の物。12球団ナンバーワンの露出度を誇るチームの顔として、さすがのパフォーマンスを見せてくれた。
顔といえば、原前監督の最大のパフォーマンスは「変顔(へんがお)」だった。喜怒哀楽をふんだんに表現する原前監督の「顔芸」は、ネット上では絶大な人気を集めた。