開幕から8連勝のロケットスタートを決めた西武。5月はやや落ち着いたものの、ゴリゴリの強力打線が期待通りに機能し、早くも「山賊打線」の異名が付いている。
前回に引き続き、歴代プロ野球の「最強打線」と比較してみたい。
■主なスタメン
1(遊撃):石井琢朗
131試合:打率.292/8本塁打/58打点/39盗塁
2(中堅):波留敏夫
130試合:打率.298/15本塁打/70打点/21盗塁
3(左翼):鈴木尚典
134試合:打率.328/17本塁打/92打点/7盗塁
4(二塁):ロバート・ローズ
134試合:打率.369/37本塁打/153打点/3盗塁
5(一塁):駒田徳広
129試合:打率.291/9本塁打/71打点/0盗塁
6(右翼):佐伯貴弘
112試合:打率.309/10本塁打/53打点/1盗塁
7(三塁):進藤達哉
109試合:打率.286/14本塁打/43打点/1盗塁
8(捕手):谷繁元信
122試合:打率.295/11本塁打/51打点/0盗塁
■主な控え
右翼:中根仁
71試合:打率.272/5本塁打/25打点/0盗塁
三塁:アルキメデス・ポゾ
91試合:打率.297/9本塁打/30打点/0盗塁
1990年代後半を代表する強力打線に間違いなく挙げられるのはマシンガン打線。その完成形といわれるのが、日本一の翌年の1999年の打線だ。ローズが153打点という破格の数字を叩き出し、チーム打率.294は当時の日本記録。ただ、悲しいことに、2000年代の暗黒時代を予兆するかのように投手陣が崩壊。貯金7の3位に終わった。投手陣の不安は西武・山賊打線の急所にもつながるところだ。
■主なスタメン
1(中堅):村松有人
109試合:打率.324/6本塁打/57打点/32盗塁
2(三塁):川崎宗則
133試合:打率.294/2本塁打/51打点/30盗塁
3(二塁):井口資仁
135試合:打率.340/27本塁打/109打点/42盗塁
4(一塁):松中信彦
135試合:打率.324/30本塁打/123打点/2盗塁
5(捕手):城島健司
140試合:打率.330/34本塁打/119打点/9盗塁
6(左翼):ペドロ・バルデス
124試合:打率.311/26本塁打/104打点/1盗塁
7(DH):フリオ・ズレータ
67試合:打率.266/13本塁打/43打点/0盗塁
8(右翼):柴原洋
112試合:打率.333/4本塁打/53打点/11盗塁
9(遊撃):鳥越裕介
115試合:打率.212/1本塁打/25打点/5盗塁
■主な控え
DH:大道典嘉
117試合:打率.281/4本塁打/51打点/0盗塁
遊撃:本間満
88試合:打率.227/0本塁打/12打点/3盗塁
まさに鬼神のごとく打ちまくったのは2003年のダイエー・ダイハード打線。現在の日本記録のチーム打率.297や100打点カルテットは有名だが、実は本塁打数は154本でリーグ4位だった。
凄みを見せたのはチーム出塁率.369。今年の西武・山賊打線は51試合を終えた時点でチーム出塁率.362。出塁率でも密かにダイハード打線に迫っている。
■主なスタメン
1(二塁):仁志敏久
137試合:打率.289/28本塁打/60打点/3盗塁
2(左翼):清水隆行
135試合:打率.308/16本塁打/60打点/4盗塁
3(中堅):タフィ・ローズ
134試合:打率.287/45本塁打/99打点/3盗塁
4(右翼):高橋由伸
109試合:打率.317/30本塁打/79打点/1盗塁
5(三塁):小久保裕紀
125試合:打率.314/41本塁打/96打点/0盗塁
6(一塁):ロベルト・ペタジーニ
117試合:打率.290/29本塁打/84打点/2盗塁
7(捕手):阿部慎之助
108試合:打率.301/33本塁打/78打点/0盗塁
8(遊撃)二岡智宏
91試合:打率.269/9本塁打/49打点/0盗塁
■主な控え
一塁:清原和博
40試合:打率.228/12本塁打/27打点/0盗塁
一塁:江藤智
55試合:打率.227/4本塁打/15打点/1盗塁
遊撃:元木大介
55試合:打率.240/2本塁打/13打点/0盗塁
大物打ちの殿堂は2004年巨人の史上最強打線。長嶋茂雄終身名誉監督によるド直球なネーミングだが、4番打者タイプが揃い、シーズン259本塁打は歴代1位の大記録。確かに破壊力では史上最強だった。
しかし、この年の巨人は投手陣がイマイチでリーグ3位。「これだけ打っても…」の典型的な例になってしまった。チーム盗塁数25も大味な打線を象徴している。
今年の西武は51試合で66盗塁。バランスは整っている。強打と足で史上最強打線を超えられるか。
文=落合初春(おちあい・もとはる)