セ・リーグ3連覇を目指す広島は田中広輔と菊池涼介の1、2番コンビが打率1割台に沈んだ。両者ともに34打数6安打で打率.176……。実績もあるだけにこのまま終わるとは思えないが、少し心配だ。
広島では薮田和樹、岡田明丈、大瀬良大地ら先発ローテも制球が定まらないシーンが目立った。昨季同様にしぶとく勝利を積み重ねたいが、「優勝は広島で決まり」とは言い切るのは心配になってきた。
昨季後半にブレイクを果たした山川穂高(西武)も不振にあえいだ。16試合に出場し、打率.136。最終盤はいい当たりもあり、2本塁打を記録したが、それでも本調子とは言えないだろう。中軸を任されそうだが、これまで開幕スタートダッシュに失敗してきたこともあり心配だ。
ベテラン勢では阿部慎之助(巨人)が打率.107と絶不調。高橋由伸監督は岡本和真を開幕スタメンに起用することを明言しており、ケガ以外ではキャリアではじめて開幕スタメンを逃すことになりそうだ。ベテランらしく、復調できるか。
金本知憲監督の下、「超変革」を謳い若手への世代交代が推し進められている阪神も評価を下げている。大きな原因は若虎たちの元気のなさだ。昨季20本塁打の中谷将大は打率.143、0本塁打でオープン戦をフィニッシュ。大山悠輔も打率.208、高山俊も打率.226と十分な出場機会があったにも関わらず、関西メディアを盛り上げるような活躍はできなかった。
確固たる主力ならまだわかるのだが、オープン戦から結果を残さないといけない選手たちが不振に終わったのは痛手。本人たちももちろん、オープン戦からガンガンいくつもりだったはず。開幕後はそのギャップを埋める作業になりそうだ。
ほかにも不振選手を挙げればキリがないが、シーズンでは大活躍というケースも少なくない。開幕後はオープン戦での成績を見ながら選手を追うのも一興だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)