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《交流戦大特集!》過去12年の勝敗チェック! 巨人が一矢報いるも貯金104のパ・リーグ勢が圧倒

交流戦でも激闘が予想されるソフトバンク・工藤公康監督と巨人・高橋由伸監督

 開幕まであと1週間に迫った「日本生命セ・パ交流戦」。野球太郎では『過去12年と今年の展望を総ざらい! プロ野球・交流戦大特集!!』を連載。13年目を迎えた交流戦のアレコレを6回にわたって紹介したい。

 第2回目となる今回は、過去12年のセ・パの勝敗を振り返りつつ、今季の展望をまとめてみたい。

【2005年〜2009年】当初は僅差だった?


■2005年
セ・リーグ:104勝
パ・リーグ:105勝
(7分け)

 交流戦が始まった2005年は36試合制(1カードにつきホーム3試合、ビジター3試合)で実施。ゴールデンウイーク明けの5月6日から6月18日まで、1カ月半をかけた長丁場の戦いだった。

 2005年の勝敗はわずかにパ・リーグが1勝上回ったが、期間中に貯金をつくったチームはセ・リーグの方が多かった(貯金を作ったセ・リーグのチームは4チーム、パ・リーグは3チーム)。

■2006年
セ・リーグ:107勝
パ・リーグ:108勝
(1分け)

 前年に続き2006年も36試合制で行われ、またも1勝差でパ・リーグが上回った。この年、唯一の引き分けは6月14日の西武対中日(インボイスSEIBUドーム、現メットライフドーム)。この1分けが中日の勝利だったら勝敗で並んだのに……と、歯がゆく思ってしまうのは中日ファンの筆者だけか。

■2007年
セ・リーグ:66勝
パ・リーグ:74勝
(4分け)

 2007年から24試合制(1カードにつきホーム2試合、ビジター2試合)に変更。5月22日から6月26日の約1カ月間で日程が収まるようになった。交流戦1位の日本ハムは貯金13、最下位の広島は借金13と天地の差が大きく開いた。

■2008年
セ・リーグ:71勝
パ・リーグ:73勝

 2008年は初めて引き分けのない交流戦となった。12チーム中11チームが10勝をクリアするなか、最下位の横浜だけが6勝18敗と大きく負け越し。セ・リーグ勢の足を引っ張ってしまった。

■2009年
セ・リーグ:70勝
パ・リーグ:67勝
(7分け)

 5年目でついにセ・リーグが初の勝ち越し。優勝こそソフトバンクに譲ったものの、ヤクルト、広島、中日、巨人が2位から5位に食い込み、それぞれ3つ以上の貯金を作った。巨人がビジターゲームで3度引き分けに持ち込んだことも、セ・リーグの勝ち越しにとって大きかった。

【2010年〜2014年】巨人が一矢報いるも徐々にリーグ格差が……


■2010年
セ・リーグ:59勝
パ・リーグ:81勝
(4分け)

 パ・リーグが初めて負け越した前年から打って変わり、2010年はパ・リーグが強烈なしっぺ返し。1位から6位をパ・リーグ球団が独占する圧勝となった。なお、順位は1位からオリックス、西武、ソフトバンク、ロッテ、楽天、日本ハムの順で並び、7位からは巨人、阪神、中日、広島、ヤクルト、横浜。このあたりからパ・リーグ優位の情勢がはっきりと現れることに。

■2011年
セ・リーグ:57勝
パ・リーグ:78勝
(9分け)

 2011年は、2年続けてのパ・リーグ圧勝に終わる。ソフトバンクが現在も破られていない交流戦記録の勝率.818を叩き出す圧倒的な強さで優勝。日本ハムも期間中に52イニング連続無失点と5試合連続完封勝利の日本タイ記録を樹立。実力の差を見せつける形となった。

■2012年
セ・リーグ:66勝
パ・リーグ:67勝
(11分け)

 2012年は、巨人が交流戦史上初のセ・リーグ球団による優勝を果たした。しかし、全体の勝敗はパ・リーグがわずかに勝ち越した。期間中、巨人以外で勝ち越したセ・リーグ球団は中日(12勝8敗4分け)のみ。セ・リーグの残り4球団の劣勢により白星が伸びなかった。

■2013年
セ・リーグ:60勝
パ・リーグ:80勝
(4分け)

 2010年ほどの上位独占ではないが、2013年も上位6チーム中5チームをパ・リーグ勢が占めた。唯一6位以内に入れなかった西武も11勝13敗の借金2と、パ・リーグで大きく負け越したチームは皆無だった。反対にセ・リーグ勢は巨人が3位に食い込み健闘したものの、全体的には20の負け越しに終わった。

2014年
セ・リーグ:70勝
パ・リーグ:71勝
(3分け)

 巨人がソフトバンクとの「勝った方が交流戦優勝」の決戦を制し2度目の頂点に立つも、2年前の巨人優勝時と同じくパがわずか1勝上回った。セ・リーグ勢が負け越した要因は、9勝15敗で最下位になった3球団のなかに、広島、阪神とセ・リーグ球団が2チームいたことか(もう1つの最下位チームは楽天)。


【2015年〜2016年】直近の2年間はパが強さを誇示


■2015年
セ・リーグ:44勝
パ・リーグ:61勝
(3分け)

 2015年から現行の18試合制に(1カード3試合、ホーム・ビジターゲームは毎年交互に実施)。パ・リーグが通算で17の勝ち越しと強さを見せた。1位から5位をパ・リーグ勢で独占し、セ・リーグ勢は阪神以外勝ち越すことができず。「交流戦はパ・リーグ優位」という下馬評通りの結果となった。

■2016年
セ・リーグ:47勝
パ・リーグ:60勝
(1分け)

 昨季もパ・リーグが大きく勝ち越した。前年同様、セ・リーグ勢で勝ち越したのは1チームのみ。唯一勝ち越した広島はペナントレースで独走優勝を果たしている。交流戦でドロ沼にはまらなかったことが、25年ぶりのリーグ優勝に繋がったか。

 こうして振り返ってみると、パ・リーグ勢の強さをまざまざと見せつけられる格好になった。

 通算で100以上の勝ち越しをマークしており(パ・リーグ925勝、セ・リーグ821勝、54分け)、直近2年間だけでも30の勝ち越し。「交流戦はパ・リーグのためにあるのか!?」と言いたくもなる。


13年目を迎える今季の展望は!?


 最後に今季の交流戦展望にも触れておきたい。

 おそらく今季もパ・リーグ優位の見立てに「地殻変動」は起こらないのではないか。パ・リーグ勢が順調に勝ちを重ねるなか、セ・リーグ勢はいかにほかのセ5球団を出し抜きながら、白星を拾っていくかという展開と見る。

 興味深く見守りたいのは、パ・リーグ首位を走る楽天の戦いぶりと、糸井嘉男(阪神)と古巣・オリックスとの対戦。楽天は森原康平、ハーマン、松井裕樹と続く必勝リレーが交流戦でも機能するか。また、「糸井対オリックス」は新天地でも看板を張る糸井を見て、チーム状況が悪化しているオリックスナインが発奮するかが見どころだ。


文=加賀一輝(かが・いっき)

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