年が変わったことで、個人記録へ向けての気持ちを新たにしている選手も多いことだろう。今季中に区切りの大台に到達しそうな選手、記録をピックアップしてみた。今回は野手編だ。
昨季は、内川聖一(ソフトバンク)や福浦和也(ロッテ)の2000安打が開幕前から話題になっていたが、今季、大台の数字に到達しそうな選手はいない。
現役で2000安打にもっとも近いのは、今季から巨人の一員となった中島宏之で1759安打。大台まであと241安打なので、栄誉ある名球会のブレザーに袖を通すのは早くても来季になるだろう。
1700安打台では、ほかに栗山巧(西武、1722安打)、坂本勇人(巨人、1711安打)がいる。坂本は、2000安打まであと289安打で、順調なら来季には到達するだろうが、そのタイミング次第では榎本喜八(元ロッテほか)の史上最年少達成記録、31歳7カ月を42年ぶりに更新する可能性がある。坂本は1988年12月14日生まれなので、リミットは2020年7月。昨季は152安打だが、それを上回るペースで量産できるかがカギとなる。
なお、1500安打には松田宣浩(ソフトバンク、1499安打)、今季限りでの引退をすでに発表している田中賢介(日本ハム、1460安打)、坂口智隆(ヤクルト、1400安打)らが到達しそうだ。
昨季の開幕時点で388本。2018年中に達成するかと思われていた阿部慎之助(巨人)の400本塁打だが、リーチをかけたところでシーズンを終えた。出番があるようなら、開幕戦で到達してもおかしくないだけに、その動向から目が離せない。
また、中村剛也(西武)も現在385本塁打。昨季は前半こそ苦しんだが、後半は本来のパワフルな打撃を取り戻し、8月は12本塁打で月間MVPを獲得。400本塁打まであと15。アクシデントさえなければ、時間の問題か。
荒木雅博(元中日)、松井稼頭央(元西武ほか)、本多雄一(元ソフトバンク)とスピードスターたちが相次ぎ昨季限りで引退。現役の通算盗塁数トップは糸井嘉男(阪神)で288。あと12盗塁で300に到達する。阪神に移籍してからのここ2年は、20盗塁以上を稼いでおり、順調ならシーズン半ばには達成できそうだ。
37歳の糸井に続いているのが26歳の西川遥輝(日本ハム)で、通算226盗塁。2014年が43盗塁、2017年が39盗塁、2018年が44盗塁で3度タイトルを獲得しており、年齢的なこと考えても、そう遠くない未来に現役最多盗塁選手になっていてもおかしくはない。
犠打の現役最多は、今季からロッテの一員となった細川亨の294。これは歴代7位。昨季は1軍での試合出場がなかっただけに、あと6を上乗せしての大台到達は簡単ではなさそうだが、1月4日で39歳となった大ベテランの奮闘に期待したい。
細川に次ぐのは今宮健太(ソフトバンク)。2016年に史上最年少で200犠打を達成した稀代のバント職人は、すでに昨季終了時点で292まで数字を伸ばしている。今季もレギュラーとして試合に出れば現在8位タイの歴代順位を大きく上昇させることは間違いない。4位の伊東勤(元西武)が305、3位の宮本慎也(元ヤクルト)が408なので、この間には入ってくるだろう。
現役3位は、250犠打の菊池涼介(広島)。キャリアハイは50犠打(2013年)なので、こちらも300犠打達成の可能性は十分にある。
文=藤山剣(ふじやま・けん)