今秋のドラフトの超目玉として注目を浴びる清宮幸太郎(早稲田実)が、2015年夏以来の甲子園に戻ってくる。ここまで積み上げた高校通算本塁打は78本。中学時代から注目を浴び続けるなか、着実に成長し、実績を残してきた。
柔らかさと長打力を兼ね備えた打撃でスカウト陣に「10年に1人の逸材」、「将来は日本記録の60本塁打を塗り替える可能性がある」とまで言わしめる怪物スラッガーだ。
昨秋の明治神宮大会では決勝で履正社に敗れるも、3試合で打率.714、1本塁打、2打点の大暴れ。本塁打と打点が少ないように見えるが、これは四死球での出塁が7回もあった上での数字だ。各地区の代表校の投手達が清宮をどれだけ脅威に感じていたかがわかる。
2015年夏は1年生ならが打率.474、2本塁打8打点と怪物ぶりを遺憾なく発揮した清宮。今センバツも清宮から目が離せない!
清宮幸太郎(早稲田実)
右投左打/184センチ97キロ/一塁手
清宮が東の怪物だとしたら西の怪物は履正社の安田尚憲。清宮の最大のライバルといえるスラッガー・安田は高校通算本塁打数45本の強打の三塁手だ。
入学時は変化球へのもろさが見られたが、成長を重ね、今や超高校級の打撃を見せる。あるスカウトは「清宮はアベレージがあってのホームラン打者。安田は完全なパワーヒッター」と両者を比較するが、安田のパワフルな打棒への評価は高い。
昨秋の明治神宮大会では清宮の早稲田実と決勝で対戦し、スリーランを含む4打点。初優勝に大きく貢献した。
昨夏の甲子園でも4番を任され打率.333、1打点と好成績を残しているが、今春は甲子園でのホームランを是が非でも打ちたいところだろう。
また、早稲田実と再び対戦する可能性も十分。清宮との直接対決で「西の怪物」の力を発揮できれば、ドラフトに向けても大きなアピールになるはずだ。
安田尚憲(履正社)
右投左打/188センチ92キロ/三塁手
2015年夏の甲子園では関東一のオコエ瑠偉(現・楽天)が一塁強襲二塁打、ファインプレー、決勝ホームランと大活躍。日本とナイジェリアのハーフというキャラクターでも注目を集め、一気にその名を全国に広めた。
今、センバツにも新たなハーフのスター候補がいる。アメリカ人の父を持つ日大三の金成麗生だ。ハーフで端正な顔立ちから「デカプリオ」の愛称を持ち、日大三打線の中軸を担う。
持ち味は何といっても背筋力300キロという驚異のパワーから生まれるパンチ力。バットの芯でとらえたときの飛距離は高校生離れしている。また手足が長いため、左中間方向に打ち返すこともできる。
まだ確実性に課題はあるが、伸びしろは十分。今センバツで「デカプリオ」の愛称を全国に広められるか。
金成麗生(日大三)
左投左打/193センチ101キロ/一塁手
明徳義塾の西浦颯大は走攻守の三拍子が揃った好打者だ。今センバツは清宮、安田らパワーヒッターが話題を集めているが、走攻守全ての面で高いレベルにある西浦にも注目したい。
高校通算23本塁打の長打力に加え、背筋力225キロの筋力を生かしてインパクトの瞬間に強く叩ける打撃、50メートル走5秒9の俊足、そして強肩。全てにセンスを感じさせる。
昨夏の甲子園では、2008年の横浜の筒香嘉智(現・DeNA)以来となる「2年生による甲子園での満塁本塁打」を放つなど、大舞台での勝負強さも光る。
センバツでの個人目標は「サイクルヒット」と話す西浦。持ち前の勝負強さを発揮できれば、サイクルヒット達成も夢ではない。
西浦颯大(明徳義塾)
右投左打/178センチ70キロ/外野手
2年生ながらドラフト候補の3年生野手と遜色ない輝きを放つ「二刀流」がいる。大阪桐蔭の根尾昂だ。
昨秋は背番号9を背負っての外野手登録だったが、投手としても躍動。大阪府大会準々決勝の北野戦では公式戦初先発ながら7回2安打無失点の完封勝利。ストレートの最速は144キロを計測した。
最速はすでに148キロを計測。順調にいけば今年中に150キロをマークしそうな勢いだ。
また打者としては、初めて4番に抜てきされた近畿大会準々決勝の智辯学園戦でバックスクリーン右へ本塁打を放った。スローイングを含めた外野守備も超高校級。その上、遊撃でも起用されるなど器用さも飛び抜けている。
なお、根尾は中学時代に全中スキー大会(回転)で優勝し、海外の大会にも出場した異色の経歴の持ち主。スキーで鍛えた体幹と身体バランスが、投打の好結果につながっている。
大阪桐蔭が誇る二刀流の大暴れに期待したい!
根尾昂(大阪桐蔭)
右投左打/177センチ75キロ/外野手・遊撃手・投手