今シーズン、センターのレギュラーを担っている坂口智隆(=写真)は、神宮球場で1回表の守備に入るとき、必ず帽子を取って一礼をする。
この一礼は、ヤクルト応援団のいるライトスタンドに向けて行われるだけではない。ビジター側のレフトに向けても一礼するのだ。対戦相手のファンに向けたものなのか、それともグラウンドに向けたものなのか、はたまた野球の神様に向けたものなのか。真相はわからない。しかし、何かに礼をしているのは間違いない。
オリックス時代からのルーチンワークなのだろうか。いつか、ヒーローインタビューでその謎にせまって欲しいものだ。
イニング間のキャッチボール。神宮球場のヤクルトベンチは一塁側にあるので、ライトとベンチの選手がキャッチボールを行う。ベンチから出てくるのは三輪正義がほとんどだ。ライトは雄平が離脱してから日替わりでスタメンが変わっている。「感謝の気持ち」を目にしたある日は、新人の山崎晃太朗がライトについていた。
いつもどおりキャッチボールが終わり三輪がベンチに戻るとき、山崎が帽子のつばに手をやり一礼をした。三輪は手を上げて返礼する。新人の山崎にとってはどの先輩選手に対しても行う振る舞いなのかもしれない。
だが、イニング間のキャッチボール後に一礼をする姿には好感を抱いた。何気ない仕草だが礼を重んじる姿勢は素晴らしい。外野レギュラー争いにぜひ加わってほしいものだ。
8月13日の巨人戦、山中浩史(=写真)が7回1失点の好投を見せた。ヒーローインタビューは山中とホームランを放った女房役の捕手・西田明央だ。
山中は「結果が出てよかった」と語り、続けて、西田に対して「いつも、ありがとう」と、奥さんに感謝するようなセリフをサラッと言ってのけた。
ヒーローインタビューで感謝の言葉を述べることはよくある。それは両親に向けたものや、ファンに向けた「ご声援ありがとうございます」といったコメントが定番だ。
だが、山中はうまくリードしてくれた捕手に対しての感謝。九州男児ならではの心意気だろうか。次回以降の登板も期待したい。