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プロ野球史上最大のぽっちゃり選手が満を持して1軍昇格! 「ラスボス」登場も意外な結果に?

 5月にスタートした「プロ野球デブの時代がやってきた」特集も、ついに最終回。

 そのフィナーレに間に合わせたかのように「ぽっちゃり選手」のラスボスが1軍昇格を果たした。NPB史上最高重量というふれこみのジャフェット・アマダー(楽天・193センチ135キロ)だ。

真打ち登場! 楽天浮上の秘密兵器となるか!? ジャフェット・アマダーとは?


 楽天入りが決まった際には“135キロのアマダー”と報じられ、一瞬、「アンダースローの投手か?」と勘違いした筆者。記事を読み進めると、球速ではなく体重だと気づいた。


「遅っ!」から「重っ!」にイメージを変えたファンも多いのではないだろうか。そう、アマダーの135キロは“キロメートル”ではなく“キログラム”だったのだ。

 投手力よりも打力のほうが優る傾向のメキシカンリーグとはいえ、昨季は本塁打王と打点王の二冠を獲り、MVPに輝いたアマダー。来日後は4番候補としてキャンプに合流した。

 しかし、ケガの影響で開幕絶望。調整を続け、ゴールデンウイークも明けた5月半ばに2軍戦で復帰すると、6試合で15打数5安打の打率.333、1本塁打と結果を残し、梨田監督は昇格を決定。まさにこの連載の最後を飾るのにふさわしい昇格であった。

 NPB初登場となった5月25日の西武戦では、初打席でまさかの三塁打デビュー。巨体を揺らして激走の三塁打! ではなく、センターを守っていた秋山翔吾(西武)が打球を見失っての三塁打。

 何はともあれ、初打席初安打を記録したアマダーには、まだ実戦不足の感はあるが、チームの上位浮上の起爆剤として期待したい……。

 と、まさに原稿を書いていたこの瞬間、5月28日の試合中に、アマダーは再度ケガを発症。6回に左手甲を痛めて、5月29日に再び抹消されてしまった。

 この連載が再度のケガを発症させた原因となったのか? そして秘密兵器は秘密兵器のまま終わってしまうのか? 今後もアマダーを追いかけ続ける責任を感じた、今回の“アマダー騒動”であった。

はたして巨漢選手は短命なのか?


 アマダーの例で感じたのは、「巨漢選手にはケガがつきもの」という点だ。

 平均選手寿命は9年、平均引退年齢は29歳と言われているプロ野球界。デブの選手たちはケガが多く、短命のイメージがある。しかし本当に短命なのだろうか。今回の特集で取り上げた日本人選手のプロ在籍年数を調べてみた。

《引退組》

香川伸行(元南海)
170センチ96キロ:10年

矢作光一(元日本ハム)
185センチ105キロ):4年

中田亮二(元中日)
171センチ・107キロ:5年


《現役組》

村田修一(巨人など)
177センチ92キロ:14年目

中崎翔太(広島)
186センチ96キロ:6年目

松山竜平(広島)
176センチ95キロ:9年目

中村剛也(西武)
175センチ102キロ):15年目

《肉体改造組》

澤村拓一(巨人)
184センチ101キロ):6年目

大谷翔平(日本ハム)
196センチ100キロ):4年目

清原和博(元巨人など)
188センチ93キロ:23年


 矢作、中田の2選手は平均以下で引退となっている。

 しかし現役選手を含めたその他の選手は、決して短命ではない。この結果を見ると「太っているから短命」ではなく、単純に選手の実力不足といえるだろう。


秘密兵器はまだいる! これからの活躍が期待される”巨漢選手”たち


 この連載には間に合わなかったが「ぽっちゃり選手」のなかでも、期待の大物が控えている。

 原泉(ヤクルト・190センチ100キロ)、黒瀬健太(ソフトバンク・181センチ100キロ)、奥浪鏡(オリックス・176センチ100キロ)の3選手に共通するのは、体重が公称100キロということ。そして1軍出場がまだないことだ。


▲黒瀬健太(写真は高校時代)

 1軍で見た目通りのパワーを見せつけるべく、2軍で練習、試合に励む3選手の動向はアマダーと同様に、チェックを続けたい。


 今季活躍している巨漢選手たちを、1カ月に渡って取り上げてきた。読者の皆さんも、ファームの試合を観戦する際には、巨漢選手がいたら是非ともチェックしてみよう。その選手こそ、今後ブレイクする未来の“デブ”かもしれない。


文=勝田 聡(かつた さとし)
松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。

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