これぞ盟主・巨人の底力か!? 9月に入ってからの巨人の強さが際立っている。12試合を戦って9勝3敗。先週9月9日〜14日の1週間は5勝1敗。再び優勝マジックを点灯させただけでなく、一気に「12」まで減らした。
巨人にとって大きいのは、菅野智之、澤村拓一、内海哲也という、今季ケガや調整で2軍を経験したエース格3人が揃って勝利をおさめたこと。打線も、9月に入って絶好調の長野久義を筆頭に効率のいい攻めを見せ、勝負所のシーズン終盤でチーム力が上向いてきた印象がある。
一方、不甲斐ないのが追いかけるはずの2位・広島と3位・阪神。広島は先週3勝3敗。阪神は2勝4敗と、巨人との差は広まる一方だ。現在、首位・巨人と2位・広島のゲーム差は「5」。15日からの巨人vs広島の初戦は前田健太(広島)の好投で広島が先勝し、ゲーム差は「4」にしたが、この後の結果いかんによっては、セ・リーグのペナントレースは雌雄を決してしまうかもしれない。
セ・リーグで気になるのが、ゲーム差「4.5」の3位・阪神と4位・DeNA によるCS出場権争い。そして、このCS圏争いの裏では、12勝でハーラーダービートップに立つメッセンジャー(阪神)と久保康友(DeNA)、そして11勝で追いかける井納翔一(DeNA)による最多勝争いも絡んでくる。引き続き、セ・リーグの動向に注目だ。
優勝争いは、ソフトバンクとオリックスに絞られた。先週の9月8日から14日までの試合では、両チームとも負け越すなど、一進一退の攻防が続く。オリックスはコボスタ宮城での楽天4連戦の最終日を雨で流したことが大きい。2日から福岡、兵庫、仙台で9連戦を戦ってきたナインにとっては恵みの雨で、西勇輝を16日からの直接対決3連戦へ余裕を持って回せることになった。
一方のソフトバンクは、日本ハムに苦戦。東京ドームでの日本ハム3連戦は長打が出やすい球場にもかかわらず、打線が湿って負け越し。対日本ハム戦は9勝14敗と苦手にしており、今後の対戦も気になるところだ。いずれにせよ、今週16日からの直接対決3連戦が最大のヤマ。最後の天王山は総力戦で激突するだろう。
CS争いはソフトバンクに強い日本ハムが圧倒的に有利。13日のオリックス戦は大谷翔平で完封勝ち。ここに来て頼りになる先発投手の存在は、何よりも大きい。「引退表明した稲葉篤紀と1試合でも多く試合をしたい」と涙ながらに語った主将・大引啓次の言葉を借りるまでもなく、チームは一丸となっている。追いかける西武と楽天、そしてロッテは互いに星の潰し合いをして、日本ハムとの差はなかなか縮まらないだろう。
セ・リーグの「最多安打」のタイトル争いが熾烈を極めている。現在トップはヤクルトの山田哲人で171本。わずか2本差の169本で2位につけるのが広島の菊池涼介だ。以降、3位が中日の大島洋平(166本)、4位が阪神のマートン(164本)、5位がヤクルトの川端慎吾(162本)と、10本以内に5人が名を連ねている。
先週1週間は各球団のストッパーたちにとって、明暗がクッキリ分かれた週となった。オリックスの守護神・平野佳寿は9月8日、9日に行われたコボスタ宮城の楽天戦で、まさかの2日連続救援失敗。8日は松井稼頭央にサヨナラ本塁打を、9日は嶋基宏にサヨナラ安打を浴びて、優勝争い真っ最中のチームにとって痛い連敗の原因となってしまった。