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楽天の危機を救え! 打率は5割超え! 聖澤諒が魅せるスピードボール撃ちの達人芸

楽天の危機を救え! 打率は5割超え! 聖澤諒が魅せるスピードボール撃ちの達人芸

 先週は楽天にとって「悪夢の6日間」になった。8月15日からの3位・西武、1位・ソフトバンクとの上位対決6連戦。楽天は初戦こそ8得点をあげたものの、打線に生気がなく2戦目以降わずか2得点にとどまり、まさかの6連敗。1位・ソフトバンクとの差は6.5ゲームに広がった。

 窮地に追い込まれた楽天だが、ここで再びファイティングポーズを取ることこそ必要だ。ソフトバンクとの直接対決はまだ7試合を残し、3位・西武も1.5ゲーム差に迫ってきた。この荒波を乗り越えるべく、ナインの力を再度一つに結集したい。

お立ち台に3度呼ばれるプロ10年目の活躍


 この苦境で期待したいのは、筆者在住・信州が生んだプロ野球選手・聖澤諒のバットだ。

 昨オフは獲得した国内FA権を封印。仙台で戦うことを決意したプロ10年目の今シーズンは、7月に入るまでの出場機会は主に代打、代走、守備固めに限られていた。

 しかし、右翼を守るペゲーロがDHにまわるケースも増えた7月以降、主に左翼で先発出場する機会が増加。ここまで86試合で181打席に立ち、打率.249ながらも要所での活躍が光り、ヒーローインタビューには3度呼ばれている。

磨きがかかる「150キロ超えスピードボール撃ち」の打撃技術


 聖澤のアベレージだけ見ると確かに物足りない。だが、この「背番号23」は、ある局面では絶大な戦果を挙げているのをご存じだろうか? それは「150キロ超えのスピードボール撃ち」だ。

 元々、全盛期から聖澤はチーム屈指の速球撃ちの達人だった。しかし、ここへきて目覚ましいのは「150キロ撃ち」の戦績なのだ。筆者の集計では昨季もスアレス(ソフトバンク)の151キロ、大谷翔平(日本ハム)の152キロなどをヒットにし、10打数4安打、1三塁打、1三振、打率.400の成績を残した。そして、今季も14打数8安打、1二塁打、2三振、打率.571とすこぶる上々。現在、チームの「150キロ超え安打」は44安打を数えるが、聖澤の8安打は、銀次の7安打を上まわり、チームトップのウィーラーの9安打に肉薄する多さになっている。


仕留めた剛速球投手は千賀、ドリス、菊池!


 8月19日のソフトバンク戦。楽天は千賀滉大に8回4安打無失点の好投を許し、0対2で敗れたが、聖澤は千賀が繰り出す152キロ、151キロの速球を球威負けせずにセンターへ弾き返し、2安打を放った。

 ほかにも、ドリス(阪神)の155キロ、黒木優太(オリックス)の150キロ、ヘルメン(オリックス)の151キロ、バンデンハーク(ソフトバンク)の152キロ、菊池雄星(西武)の153キロなど、好投手の剛速球を打ち砕いてきた。

 逆転優勝を目指す今後のペナントレース、その先のプレーオフで、聖澤には惚れ惚れするスピードボール撃ちを1打席でも多く披露してもらいたい。

(成績は8月21日現在)


文=柴川友次
NHK大河ドラマ「真田丸」で盛り上がった信州上田に在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえる、楽天推しの野球ブロガー。開幕前から楽天有利、ホークス不利の前半戦日程を指摘、イーグルス躍進の可能性を見抜いた。

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