【2017夏の高校野球】《大阪観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
2強を中心に逸材たちが切磋琢磨しあう
安田、根尾に続くスター候補の誕生は?
投手編 〜制球力に強みを持つ徳山〜
センバツを制した大阪桐蔭のエース・徳山壮磨は、最速145キロのストレートより、侍ジャパン高校代表の小枝守監督が評価するコントロールが最大の武器。春季府大会は決勝のみの登板だったが、肩やヒジにはまったく問題がなく、自身初となる夏の甲子園出場へ闘志を燃やしている。この春に成長を見せたのが2年生右腕の柿木蓮。準々決勝で上宮を2安打完封し、13個の三振を奪った。大型左腕の横川凱、センバツ優勝の瞬間をマウンド上で迎えた根尾昂と素質溢れる2年生が揃う中、最速146キロ・柿木の存在感が増してきている。来年のエース争いにも注目。
センバツ準優勝右腕・竹田祐(履正社)は甲子園での与四死球率が1.96と抜群の制球力が武器。タテ・横2種類のスライダーとフォークもキレが鋭い。春季府大会は体調回復を優先させる意味もあり、登板がないままに敗れた。センバツの悔しさと大阪大会連覇を目指し最後の夏に挑む。履正社で春に注目されたのが2年生左腕の岡田龍生。監督と同じ漢字ながら、読み方は「おかだ・りゅうい」。滋賀南郷ボーイズ出身で、指揮官も「気持ちの強い投手」と期待する。投球で話題となるか。
春準優勝の大体大浪商はドラフト候補左腕・宮本大勢が高校に入ってから10センチ以上伸びた身長とともにスケールアップした。腰痛から復調し、38年ぶりに浪商を甲子園に導くつもりだ。
昨秋の府大会を制した森田輝(上宮太子)は体重が65キロとなかなか増えずに悩んでいる。キレのいいスライダーは高校生では一級品。打倒・大阪桐蔭、履正社の一番手と言える存在だ。大阪桐蔭と4季連続で対戦している関大北陽は左腕の佐藤雄太が大黒柱。北野の左腕・牧野斗威と興國の右腕・植田健人はともに昨冬に大阪府選抜チームに選ばれ、台湾遠征を経験し、成長した。上宮の左腕・巻大地と右下手投げの人見健太の二枚看板には他校も警戒する。
近大付の2年生左腕・大石晟慈は羽曳野ボーイズ時代にジャイアンツカップで優勝し、世代別代表の経験もある。高校では1年夏から背番号1を背負う。同じ2年生では東海大仰星の河内大地と笹沼歩の両右腕が大きく成長した。公
立では中村建登(四條畷)に注目。181センチの体格からのストレートに将来性を感じる。大学野球で活躍できそうな右腕だ。
野手編 〜次世代スターの宝庫〜
最注目はやはり履正社の安田尚憲。春季府大会終了時点で通算53本塁打。力強さ、三塁守備の成長度を踏まえて、「東の清宮」以上という評価の声もある。ドラフト上位候補に名を挙げる球団も多い。
大阪桐蔭では骨折から復帰する岩本久重が夏にどれだけのパフォーマンスを見せられるか。まずは主将の福井章吾から正捕手を奪い返したい。野手も根尾、藤原恭大ら2年生に好選手が粒揃いだ。
春季府大会で4試合連続5本塁打を放ちブレイクしたのが興國のスラッガー・中野翔哉。右打者だが田中英樹監督や草島葉子校長から「興國の清宮と呼んであげてください」と期待されている。他にも強肩が光る藤原汰地(大阪青凌)、スラッガー・辻晃志(大冠)ら、バラエティーに富む野手が多く揃っている。
大会展望 〜桐蔭がリードも実力校の差は小さい〜
センバツで決勝を戦った2校。大阪桐蔭は春季大会も制覇し、混戦から一歩抜け出しつつあることを証明した。一方、履正社は5回戦で敗退。エース・竹田の復調が気になる所だ。東海大仰星は春に履正社を破り、大阪桐蔭にも善戦し、近畿大会出場を果たした。秋の王者・上宮太子はエース・森田が絶対的な柱として安定感がある。ドラフト候補左腕・宮本を擁する大体大浪商は同じ左腕の田村が急成長し、連戦でも戦える布陣に。他にも上宮、関大北陽、北野なども力がある。
野球太郎 No.23
「2017夏の高校野球&ドラフト特集号」
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