「歴代最強」との声もある大阪桐蔭の野手の目玉は根尾昂だ。中学時代から146キロの球速をマークし、全中スキー大会の回転で優勝するなど、華々しい実績を引っさげて入学した根尾もついに最上級生になった。
投げては最速148キロ。秋の近畿大会では近江打線を相手に16奪三振完封の好投を見せれば、打っても圧倒的な飛距離を叩き出す。投手、遊撃手、外野手をこなし、器用がゆえに各ポジションでの完成度はまだ伸びしろあり。スケールが大きすぎる。
日本ハム・大谷翔平がメジャーに流出確実の日本野球界だが、根尾は正真正銘の二刀流候補だ。大舞台での活躍がドラフト戦線での最後の一押しになりそう。
大阪桐蔭の野手では中堅の藤原恭大も上位候補。
期待の大砲では野村佑希(花咲徳栄)も要チェック。今夏の甲子園では4番として出場し、2本塁打をかっ飛ばした。注目ポイントはタイミングの取り方。きれいな弧でスイング軌道を描き、流麗にボールを巻き込んでいく。引っ張りを見るとプルヒッタータイプだが、外角にも背中をうまく使って逆方向に「引っ張る」ことができ、対応力はずば抜けている。
パワーでは万波中正(横浜)の右に出るものはいないだろう。コンゴ人の父を持ち、190センチ89キロの恵まれた体格と爆発的な身体能力を武器に、超高校級の本塁打をかっ飛ばしている。中学時代は砲丸投げの東京都大会で優勝しており、大阪桐蔭・根尾昂と同様に「スーパー中学生」の一人だった。
粗削りな面もあるが、横浜スタジアムの電光掲示板にぶち当てたパワーは本物。春からの驚愕弾連発に期待したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)