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「スナック!? 居酒屋!?」だけじゃない! プロ野球選手のセカンドキャリアいろいろ


 筆者が携帯電話の機種を変更するため、とある通信キャリアのショップに行ったところ、戦力外通告を受けて間もない元プロ野球選手が窓口担当として勤務しており、対応してもらった経験がある。

 元プロ野球選手と話ができた喜びと、プロ野球選手のセカンドキャリアについて考えさせられる出来事だった。

プロ野球選手のセカンドキャリアといえば……


 引退後にプロ野球に関わる仕事に就ける元選手は一握りしかいない。筆者の想像だと、元近鉄のスラッガー・栗橋茂氏が藤井寺でスナック「しゃむすん」を営むように、引退後は「スナック経営」「焼肉店経営」「スポーツ用品店経営」など店舗を経営するイメージ強い。

 最近の例ではデーブこと、前楽天監督の大久保博元氏も居酒屋を経営している。楽天の監督を退任するセレモニーでは、「居酒屋のオヤジになる!」と高らかに宣言してみせた。また、現在は閉店しているが、元巨人の元木大介氏によるラーメン店経営も有名だ。同じく元巨人の條辺剛はうどん職人となり、経営するうどん屋は人気店となっている。店の入り口にかけられた暖簾の文字は、長嶋茂雄氏の筆によるものだ。

多様化するセカンドキャリア


 前述の通り、引退後に指導者や球団スタッフ、解説者になれる機会はごくわずか。

 早ければ20代で解雇となる選手も多いプロ野球界。周囲から天才と崇められてプロの世界に飛び込んでも、数年で引退となるケースも少なくない。

 野球関係の職に就けず、店舗を経営するわけでもないとなると、彼らは一般社会での職を求めることになる。そこで昨今では、球団を保有するIT企業が増えていることもあってか、引退後にオーナー企業に就職するケースも目につくようになってきた。

 2014年にソフトバンクを引退した江尻慎太郎は、引退後、ソフトバンクグループの会社に就職したことを公表している。プロ野球12年のキャリアを経てのサラリーマン生活だが、ブログなどを見ると前向きに取り組んでいるようだ。そのせいか、そのサラリーマン姿もかなり様になっている。


選手たちの希望は恩返し


 毎年NPBが現役選手に実施しているセカンドキャリアに関するアンケートによると、現役選手がセカンドキャリアで最も望む職種は、やはり指導者。1日でも長くグラウンドにいたいと思うのは当然のことだろう。

 しかし、その思いは叶わないことの方が多い。いずれにせよ、多くの元プロ野球選手は、自身が最高のステージであるプロ野球界に上り詰められた感謝の念を抱き、その恩返しを、セカンドキャリアを通じて行っていきたいと考えている。彼らの次の舞台に幸多いことを願いたい。


文=元井靖行(もとい・やすゆき)

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