■英明(香川、3年ぶり2回目)
四国大会準優勝で2回目のセンバツ、春夏合わせて4回目の甲子園を決めた。近年は香川の強豪校として知られるが、2001年に共学化した高校で、野球部の創部は2005年と今センバツ出場校ではもっとも新しいチームだ。
背番号1を担うのは新2年生の黒河竜司。香川大会から四国大会までの全8試合を一人で投げ抜いたタフネス右腕だ。四国大会決勝では明徳義塾に惜敗も2失点と安定したピッチングを見せた。
■松山聖陵(愛媛、初出場)
四国大会ベスト4で2016年夏以来2回目の甲子園出場。エースはプロ注目の右腕・土居豪人(新3年)。189センチの長身から最速144キロのストレートを投げ下ろす逸材だ。同校の先輩で、2016年のドラフト5位で広島に入団した「アドゥワ誠2世」と呼ばれている。
荷川取秀明監督は高校時代時代、沖縄尚学で1999年のセンバツ優勝を経験している。春の戦いを知る若い指導者の采配にも注目したい。
■高知(高知、5年ぶり18回目)
四国大会ベスト8。四国大会準々決勝では7対8で英明に敗れ、甲子園出場に黄信号が灯ったが、準決勝で英明が高松商に12対2の6回コールド勝ち。高知と高松商の比較は英明戦が参考とされ、英明に惜敗の高知が逆転選出をつかんだ。
高知は中高一貫の私立校で高知中出身の選手も多い。高知中は中学軟式球界では知らぬ者がいないほどの強豪。エース・中屋友那(新3年)も同校の出身で中学時代には侍ジャパンにも選出されている。中学時代から場数を踏んできた選手がそろう。
■明徳義塾(高知、3年連続18回目)
四国大会優勝、明治神宮大会優勝で秋の日本一に輝く。馬淵史郎監督の眼光も鋭く、頂点を狙えるチームに仕上がった。
名門の看板を背負うのはエース・市川悠太(新3年)。最速145キロのサイドハンド右腕で高知県大会から明治神宮大会までの10試合を一人で完投。優勝後も「疲れはない」と言い切るタフさが心強い。
主砲・谷合悠斗のバットも期待される。昨夏は4番を任されていたが、秋は不振に苦しみ打順降格。しかし、神宮大会準決の静岡戦で8回に起死回生の同点2ランを放つと、決勝の創成館戦では4番に帰ってきた。1年生からベンチに入り、甲子園の舞台を知る男。4番はやはり谷合だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)