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あの怪人が日本球界入り!? メジャー555発男、マニー・ラミレスの輝かしい記録と奇行の数々


 師走の朝にビッグニュースが飛び込んできた。

 12月1日、メジャー通算555本塁打を誇るマニー・ラミレス(元インディアンズほか/44歳)が、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに自らを売り込んでいることがわかった。

 マニー・ラミレスの本塁打以外の主なメジャー通算成績は打率.312、2574安打、1831打点。さらにシルバースラッガー賞(9回)、ハンク・アーロン賞(2回)、ワールドシリーズMVP(1回)などの受賞歴を誇り、オールスターゲームには12回出場。メジャーリーグ史にその名を刻むビッグスターだ。

 今回、マニー・ラミレスは代理人を介して自らオファー。高知ファイティングドッグスも獲得に前向きな姿勢を見せている。メジャー屈指の強打者が日本でプレーする可能性が強くなってきた。

 少しでもメジャーリーグに興味のある人ならば、マニー・ラミレスの名を知らぬ者はいない。引退してなお、絶大な人気を誇っているが、その理由は輝かしい実績だけでなく、その強烈過ぎるキャラクターにもある。

 稀代の強打者にして、稀代の変わり者としても名を馳せたマニー・ラミレス。ここではアッと驚く奇行の数々をお伝えしよう。

マニーなら仕方ない


Manny being Manny。

 直訳すると「マニーはマニー」。これは、マニー・ラミレスの奇天烈なキャラクターを表した言い回しだ。唯一無二の奇天烈キャラを面白おかしくもじったもので、「マニーなら仕方ない」とか「マニーらしいなあ」といった意味合いで用いられていると、思われる。

 こんなフレーズが作られるほど、強烈な個性で球界を闊歩してきた。数々の逸話のなかでも、グリーンモンスターにまつわるエピソードは有名だ。

 グリーンモンスターとはレッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パークにそびえる11.3メートルのレフトフェンスのこと。左翼手だったマニー・ラミレスにとって、このグリーンモンスターは「遊び場」だった。あるときは、投手交代の合間に携帯電話で通話を始めたり、用足しに消えたり……。試合中に堂々とグリーンモンスターのなかに出入りしていたのだ。

 やりたい放題の行動に賛否の声が挙がったが、いい意味でも、悪い意味でも「Manny being Manny」で済まされてしまうのが、すごいところなのだ。


守備嫌いのマニーが見せたミラクルプレー


 打撃は超一流ながら、守備に関してはまるでやる気のないマニー・ラミレス。数々の珍プレー、怠慢プレーを演じてきた。そんなマニーの数少ないファインプレーが、2008年に見せた謎のハイタッチプレーである。

 左中間の大飛球を背走キャッチしたマニー・ラミレスは、その勢いのままフェンスへ到達すると、スタンド最前列で観戦していたファンとハイタッチ。振り向きざまに内野へ矢のような返球をすると、カットプレーもスムーズで見事にダブルプレーを成立させた。
(オリオールズの本拠地であるオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズでの試合だったため、フェンスが低く、ハイタッチができた)

 守備嫌いのマニー・ラミレスが珍しく真剣に走り、完成させたこのファインプレー。ファンが大歓声を上げたのはいうまでもない。しかし何故、観客とハイタッチをしたのか? その答えは神とマニー・ラミレスのみぞ知るところだ。

 このほかにも、人の服を勝手に拝借する癖もあったマニー・ラミレス。トレードマークのダボダボのユニフォームを着るようになったのは、自分より20キロも体重が重いブルペンキャッチャーのズボンを履いたのがきっかけだったとか……。

気まぐれな性格に隠された、打撃への探究心


 気まぐれな性格ではあるが、打撃に関しては実力も姿勢も超一流だ。

 奇天烈なキャラクターとは裏腹に、誰よりも早く球場入りし、入念なトレーニングをしていたことは知る人ぞ知る事実。努力無くしてあの輝かしい記録は達成できなかった。天才肌の男が見せる努力も大きな魅力だった。

 こんな「奇天烈男」マニー・ラミレスが日本でプレーするかもしれない。何としてもその姿を目に焼きつけておきたい。そう思うのはファンならば当然だ。

 しかし、台湾リーグ在籍時(2013年)は、「長い間、家族と離れてプレーすることはできない」という理由で、数カ月で帰国……。今回もその二の舞いになるのでは? そんな声が少なからずあるのもまた事実だ。ただ、その気まぐれぶりこそマニー・ラミレスの真骨頂。

 「これぞManny being Manny」と笑って許すことがマニーファンのたしなみ、といえるのではないだろうか。


文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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