【2017夏の高校野球】《長野観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
高橋、直江の本格派にスカウトも好奇心
好投手に力勝負を挑むパンチある野手陣
投手編 〜本格派右腕がずらり〜
春季県大会で61年ぶり優勝の原動力となった小諸商のエース・高橋聖人。連投でもきっちりと試合をつくり、安定感の高さを示した。1年秋から主戦として投げ続けるプロ注目の140キロ右腕だ。がっちりした体格で打者を圧倒する球質にスタミナも加わり、悲願の甲子園へ、チームを導きたい。
松商学園では180センチを超える右腕2人に注目したい。3年生の青?真珠は制球に課題はあるが、打者を圧倒するストレートが魅力。スライダーもよく切れる。2年生・直江大輔は体ができてきて力強さが出てきたが、まだまだ伸び代も十分。投球センスは群を抜き、プロも注目する逸材だ。
夏連覇を狙う佐久長聖には、昨夏の甲子園で好投した塩澤太規が健在。ストレートは常時130キロ後半だが、打者のタイミングを外すモーションと、空振りを取れるタテのスライダーは厄介だ。
2年ぶりの甲子園を狙う上田西は投手陣が豊富。エース・工藤陽平はストレートが140キロ中盤まで伸びてきた。投球バランスもいい。細身の右腕・権田琉成はヒジの使い方が軟らかく、こちらも140キロを超えてきた。
この他では右腕に楽しみな投手が揃う。和田直人(長野商)は140キロ超のストレートと、“宝刀”とも言えるチェンジアップで三振の山を築く。筒井恒匡(松本工)は、先輩・柿田裕太(DeNA)を彷彿とする本格派。昨秋の北信越大会進出に貢献した長瀬恭太(飯山)は投球に角度がある。松本深志の2年生・小林綾、絃の“双子投手”は、ともに140キロを超えてきており、どちらが投げても遜色ないレベルだ。
左腕では三振が奪える田中準人(長野工)、経験豊富な木下歩紀(下伊那農)も力がある。
野手編 〜ハードヒッターが主役を狙う〜
走攻守の三拍子そろったタイプの野手が少ないのは寂しいが、ハードヒッターに注目したい。
春季県大会優勝の小諸商で4番を張り続けるのが、168センチ76キロの関優太。左足を高く上げるフォームだが、変化球にもしっかり対応し、通算本塁打は20本を超える。佐久長聖や上田西の好投手からも決勝本塁打も放っている。同じく170センチと小柄だが、強打のトップバッターとして東海大諏訪を牽引するのは勝股裕太佳。パンチ力に加え、コンスタントにヒットが打てるのも強みだ。
ケガで今春は欠場もあったが、藤井大地(松商学園)は県内屈指の右のスラッガー。その飛距離には定評がある。熊井駿(東京都市大塩尻)は約20本塁打をマークする左のスラッガー。旧チームからの主砲で勝負強さを備える。捕手で注目したいのが増田幸之助(長野商)。体格がよく、打撃もいい。
投手登録だが窪田寛大(松本県ヶ丘)は打者としても非凡。183センチの恵まれた体で、打撃も柔らかい。伊那北のエース・中嶋夏樹は、巧打の遊撃手としても評価が高い。
まだ2年生だが、鈴木大河(佐久長聖)は強打の捕手として将来が期待される。同じく2年生の塚田純平(上田西)は投手、内野、外野をこなす好選手。宿岩有賢(野沢北)はセンス溢れる左の中距離砲だ。
大会展望 〜長聖―上田西のサイクルは止まるか〜
軸となる投手がいる点で小諸商、佐久長聖、松商学園が優勝争いの中心になりそう。上田西、長野商、東海大諏訪も総合力では差がない位置につける。ここに東京都市大塩尻や松本深志、松本第一、飯山などが絡んでいく展開が予想される。過去5年間では佐久長聖と上田西が交互に制してきた夏の大会。昨夏ベスト4の経験者が多数残る小諸商は、悲願達成へ最短距離につけている。有力校にノーシードが多いだけに組み合わせ次第で序盤からの波乱も想定される。
野球太郎 No.23
「2017夏の高校野球&ドラフト特集号」
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