■1位:サファテ(ソフトバンク)
今季の助っ人でダントツのナンバーワンはサファテ(ソフトバンク)で決まりだろう。その理由は以下の通り。
@外国人選手の最多セーブ記録を更新(通算229セーブ、NPB歴代5位)
A54セーブでシーズン最多セーブ記録を更新
Bシーズンと日本シリーズのMVPをダブル受賞(NPB15人目)
C外国人選手として初の正力松太郎賞を受賞
これだけでも十分すぎるのに、ほかにもサヨナラ勝ちでの日本一を呼び込んだ「日本シリーズ6戦での3イニング登板」など記憶に残る奮闘もあり、ケチのつけようがない。まさに盆と正月が一緒にきたようなめでたいシーズンとなった。
■2位:ペゲーロ(楽天)
2位には、シーズン序盤から「強打の2番」として楽天の快進撃を支えたペゲーロを推す。トレンドの「強打の2番」を取り込み、「守備固めを出しやすい打順」という理由で始まったペゲーロの2番起用だったが、ペゲーロ、ウィーラー、アマダーと並ぶ強力打線にハマって今季の楽天を象徴するまでになった。
チーム事情で3番や4番を打ったこともあったが、それぞれの打撃成績は以下の通り。
2番:打率.302/23本塁打/66打点
3番:打率.167/0本塁打/2打点
4番:打率.236/3本塁打/7打点
打数の差があるので単純に比較はできないが、2番に座ったときの方が明らかに好成績。よほど2番の居心地がよかったようだ。
■3位:ロペス(DeNA)
チームの快進撃を支えた選手ではロペス(DeNA)も忘れてはならない。筒香嘉智、宮崎敏郎とともに強力なクリーンアップを形成し、DeNAを横浜時代以来となる19年ぶりの日本シリーズへと導いた。
特に王者・広島戦で無類の打棒を発揮し、シーズンで打率.347を記録。8月22日の広島戦では「クリーンアップ3連発サヨナラ勝ち」の2本目となる貴重な同点弾を放つなど、キラーぶりを見せつけた。
■4位:ウィーラー(楽天)
「2番・ペゲーロ」に話題を奪われた感があるが、ウィーラーも楽天の躍進を支えた。主に3番や4番を担い、楽天の選手としては山崎武司以来の30本塁打を放つ活躍でチームを勝利に導いた。
また、ハクション大魔王に似ていることも話題になり、7月9日に開催されたイベント『We love ウィーラー!』では、ハクション大魔王とのコラボグッズが販売された。ファンからの愛され度ではチーム1位かも!?
■5位:パットン(DeNA)
62試合に登板し27ホールドを挙げたパットン(DeNA)も、貢献度ではチームメイトのロペスに引けをとらない。しかし、登板数、ホールド数ともにチーム2位の成績なので、印象度という点でもロペスに負けてしまっているように思える……。
ちなみにパットンが来日を決めたのは、カブス時代に同僚だった川崎宗則(ソフトバンク)から、「きみなら成功するだろう」とアドバイスされたことによる。DeNAは川崎にお礼をするべき!?
■6位:ハーマン(楽天)
強力打線を担う助っ人野手3人に注目が集まりがちな楽天にあって、中継ぎとして活躍したのがハーマン。福山博之や松井裕樹へつなぐ大事な役割を果たした。その貢献度は56試合で33ホールド(3勝1敗、防御率2.72)という成績が証明している。
ちなみに世界の大学ランキングでも上位に入るハーバード大の出身で、経済学を専攻していたインテリ。
野球選手になっていなかったら銀行に就職希望だったという。楽天としては「野球選手となってくれてよかった……」といったところだろう。
■7位:ゲレーロ(中日)
2015年にメジャーで11本塁打を放ち、鳴り物入りで中日に入団したゲレーロ。その長打力をいかんなく発揮して35本塁打を放ち、来日1年目に早速本塁打王のタイトルを獲得。
また5月28日のヤクルト戦から6月3日の楽天戦にかけて、球団記録となる6試合連続本塁打を放つなど、球団史を塗り替える離れ業も披露した。
しかし、いくら打ってもチームの勝利につながらなかったことに嫌気がさしたのか、さらなる好条件のオファーを求めたのか、オフになるとあっさりと中日のユニフォームを脱ぐことに。来季は巨人の一員として戦うこととなった。
■8位:カミネロ(巨人)
契約時の注目度では164キロ右腕・カミネロ(巨人)も大きなニュースに。自己最速更新……とはならなかったが、それでも161キロを叩き出し、年間通して抑えを任されて29セーブを挙げるなど及第点はクリア。
6月14日のソフトバンク戦では、山口俊、マシソンとともに継投でのノーヒットノーランを達成。チキンハートでないところも見せつけた。
日本の野球にも慣れたようなので、来季は自己最速、そして大谷翔平(日本ハム→エンゼルス)の165キロに挑みたい。
■9位:マギー(巨人)
2013年以来、4年ぶりにNPB復帰となったマギー。今年で35歳を迎えたものの、打率.315、18本塁打とまだまだ活躍できることを示した。しかし、復帰以上に話題になったのは、開幕前にぶち挙げられた二塁手としての起用法。
185センチ100キロという巨体ゆえ、長嶋茂雄監督時代の巨人であぶなっかしい守備を見せたマルティネスの再来かと誰もが思ったが、意外なほど軽快に打球をさばくマギーの姿がグラウンドにあった。
そしてシーズンが終わると、ベストナインの二塁手部門で菊池涼介(広島)には負けたものの、山田哲人(ヤクルト)を差し置いて2位にランクイン。来季も「二塁・マギー」の好守が見られるかもしれない。
■10位:サントス(ロッテ)
チーム状態がドン底だったこともあり、活躍という点では見劣りするが、話題性で触れておきたいのがサントス(ロッテ)だ。
一度見たら忘れられない「走り打ち」は、まさに個性派助っ人ならでは。常識にとらわれないプレーを見せてくれた。来季の去就は不透明だが、こういった個性派がどんどん日本にきて楽しませてほしい。
今季も様々な助っ人が彩ったプロ野球界。ほかにも「ホームベース踏み忘れ事件」のマレーロ(オリックス)や、試合をまたいでの2打席連続本塁打で衝撃のデビューを飾ったバティスタ(広島)ら強烈な印象を残した選手もいるので、10人に絞るのはなかなか難儀だった。
思案のなか、チームへの貢献度や話題性を総合して落ち着いたのがこの順位だ。あくまでも筆者の主観なので、異論やツッコミどころがあるはず。このランキングを叩き台にして、野球ファン仲間との忘年会などで助っ人談義に花を咲かせてもらえたら幸いだ。
文=森田真悟(もりた・しんご)