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山崎康晃(DeNA)、藤岡裕大(ロッテ)…。涙の指名漏れからリベンジした4人の男たち

文=勝田聡

山崎康晃(DeNA)、藤岡裕大(ロッテ)…。涙の指名漏れからリベンジした4人の男たち
 10月25日、プロ野球界において「運命の1日」とも呼ばれるドラフト会議が行われた。根尾昂(大阪桐蔭高→中日1位)、藤原恭大(大阪桐蔭高→ロッテ1位)、小園海斗(報徳学園高→広島1位)、吉田輝星(金足農高→日本ハム1位)、松本航(日本体育大→西武1位)など将来のスター候補たちが各球団から指名されている。

 一方で鶴田克樹(下関国際高)、米倉貫太(埼玉栄高)、向山基生(法政大)といった有力選手たちは指名届を提出したものの、育成を含め名前を呼ばれることはなかった。それぞれが次のステージでレベルアップをして、数年後に指名されることを期待したいところだ。

 過去には高校、大学時に指名漏れとなったが、その後のステージで結果を出しプロ入り。チームの主力となった選手は数多くいる。ここではそんなリベンジを果たした選手たちを見ていきたい。

藤岡裕大は社会人を経て新人ながらレギュラーに!


 今シーズン、ルーキーながらロッテで遊撃手のポジションを奪った藤岡裕大は、亜細亜大時代に指名漏れを経験している。岡山理大付高から強豪の亜細亜大に進学した藤岡は1年時からレギュラーとして活躍。3年秋には東都大学リーグの首位打者を獲得するなど結果を出し、侍ジャパン大学代表にも選ばれた。

 しかし、チームメートの板山祐太郎は阪神から6位で指名されたものの、藤岡の名前は最後まで読み上げられることなく、社会人野球の道へと進むこととなったのである。

 名門・トヨタ自動車での2年間で、藤岡は2大大会へ3度出場し、攻守にわたってアピール。2017年のドラフトでロッテから2位指名され、1年目からレギュラーを奪うことに成功した。来シーズンのポジションが確約されているわけではないが、開幕スタメンの最有力候補だろう。

 チームが今シーズンの5位から浮上するためにさらなる貢献が期待される。

高卒1年目で指名解禁の伊藤翔


 ルーキーイヤーの今シーズン、16試合に登板し初勝利もマークした伊藤翔(西武)もリベンジ組の1人だ。2017年のドラフト3位で徳島インディゴソックスから西武に入団すると、オープン戦から結果を残し開幕1軍の座を掴んだ。以降は1軍、2軍を行き来しながら着実に結果を残す。自身の最終登板となった10月4日のロッテ戦では初先発のマウンドにも登っている。

 その伊藤は横芝敬愛高時代にもプロ志望届を提出するが、残念ながら指名されず。その後、進学はせず、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに入団。高卒ルーキーながら大車輪の活躍を見せ、1年目で念願のNPB入りを果たした。

 伊藤の活躍でNPB入りを目指す高校生にとって、大学、社会人野球以外の道にも大きな光が当たることとなった。今後は指名漏れした高校生にとって「即独立リーガー〜1年でNPB入り」が第3の選択肢として注目度を高めるかもしれない。

西武の勝ち頭・多和田真三郎も指名漏れ経験者


 今シーズン、初の2ケタ勝利となる16勝(5敗)をマークし、リーグ優勝に大きく貢献した多和田真三郎(西武)も高校時代に指名漏れを経験している。中部商高時代に甲子園出場の経験はなかったが、プロ志望届を提出。しかし、育成を含め名前が読み上げられることはなかった。多和田は沖縄から遠く離れた岩手にある富士大への進学を選択する。

 富士大時代は1年時からリーグ戦に登板し、明治神宮大会ではノーヒットノーランも達成。早い段階でドラフト候補に挙がっていた。その後も順調に実績を積んだ多和田は4年秋こそ、右肩痛のために登板なしに終わったが、大学通算32勝をマーク。ドラフト1位で西武から指名を受けプロ入りを果たした。

 その後の飛躍はご存知のとおりだ。

侍ジャパンの守護神候補・山崎康晃は大学で巻き返す


 「ヤスアキジャンプ」でお馴染みの山崎康晃(DeNA)も帝京高時代に涙を飲んだ。2年夏、3年春と甲子園に2度出場するも目立った活躍を見せることができなかった。この悔しさを胸に亜細亜大に進学後は1年時から試合に出場し、通算15勝をマーク。侍ジャパン大学代表にも選出され、9試合で無失点と結果を残した。

 さらには4年春にはリーグMVPも受賞し、ドラフト上位候補にのし上がる。迎えたドラフトではDeNAの1位指名を勝ち取り、入団後は1年目から守護神として活躍。球界を代表する投手に成長した。

 このように、球界を代表する投手となった山崎でも指名漏れを経験している。今年のドラフトで指名されなかった選手たちも決してあきらめる必要はない。次のステージで結果を残し、数年後に名前が呼ばれる選手に成長してほしい。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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