日本最高峰の舞台であるNPB。そこには競争がある。シーズンが終わると一斉にはじまるのが、チーム支配下登録枠の整理だ。
支配下登録枠は70人。ほとんどのチームが外国人助っ人分の猶予を残して、1月末に登録を済ませる。現在は育成選手の制度があるが、ドラフトで大人数を獲得しようと思えば、それだけの人員整理が必要になってくる。
2軍でくすぶる選手がプロ野球の舞台をあとにするのは切ないものがあるが、これだけは仕方のないこと。実際にはドラフト後の10月末に公式発表されるケースが多いが、球団によってはシーズン終了と同時に「血の入れ替え」を宣言し、意図的にマスコミに情報を流すこともある。
上位指名に目が奪われがちだが、指名人数は球団の姿勢が如実にあらわれるところだ。支配下登録の人数と戦力外通告の動向はチェックしておきたい。
ドラフトの成否が決まるのは数年後だが、ひとまずの採点をするならば、チームの年齢・ポジション別の選手構成を抑えておきたい。
「貴重な左腕」「未来の正捕手候補」が必要なのは全球団に言えることだが、年齢別に投打の左右とポジションを並べると思わぬ穴が見えてくることがある。
たとえば、DeNAは21歳以下の若手左腕がいない。石田健大、今永昇太、濱口遥大、砂田毅樹ら活躍している左腕が多く、「左腕王国」のイメージが強いが、意外な補強ポイントだ。毎年、大学生左腕の好投手が出現するとは限らない。
また、DeNAでは2015年に青柳昴樹、2016年に細川成也と2年連続で右打ちの外野手を指名しているが、年齢の構成を見れば納得できる。右打ちの外野手は桑原将志ぐらいしかいないのだ。
阪神も23歳の横山雄哉が最年少左腕。昨年のドラフトでは左腕を獲得しておらず、すっぽりと抜けている。内外野も21歳以下の選手が極端に少ないため、一気に穴埋めの大量指名に動きそうな匂いがプンプンしている。
ロッテは右打ちの外野手が伊志嶺翔大、清田育宏、荻野貴司の3人のみで最も若い伊志嶺でも29歳。大学・社会人出身の右打ちの外野手がほしい頃合だ。
年齢・ポジション別のチーム構成は9月23日発売の『野球太郎No.024 2017ドラフト直前大特集号』に掲載している。チーム構成とドラフト候補を突き合わせながら、あの選手がほしい、この選手がほしいと「妄想」するのは実に楽しいひと時だ。秋の夜長にぜひ試していただきたい!
文=落合初春(おちあい・もとはる)