キャンプを締める円陣で、緒方孝市監督は上記の5人に「監督賞」として金一封を手渡した。彼らが実質の“キャンプMVP”と見ていいだろう。なかでも高橋昂也への期待感はすこぶる高い。2月24日の楽天とのオープン戦では3回2失点(自責点0)。紅白戦、練習試合と好投を続ける高卒2年目左腕がローテーション入りを勝ち取れるか。
すでに4番当確と目されるロサリオ。韓国球界で2年連続3割、30本、100打点の実績を引っさげて来日し、紅白戦や練習試合でも快打を連発。金本知憲監督も文句なしの“キャンプMVP”に指名した。ただ、オープン戦3試合で6打数1安打2三振とまさかの空回りが続いている。しかし、練習熱心で走塁などにも積極的な姿勢を見せる選手。開幕までにバッチリ合わせてくるはずだ。
キャンプ中は、クールを終えるごとにMVPを発表していたラミレス監督。トータルでのMVPはソトと石田健大になった。
新外国人選手のソトは、3月7日までのオープン戦全6試合に出場し、打率.318、1本塁打、3打点とまずまずの成績を挙げている。外国人枠があるため開幕1軍を確約されている立場ではないが、大きくアピールした。
石田は、韓国チームとの練習試合に2度登板し、4回2安打無失点、5回6安打無失点と好投。ここからオープン戦を経てさらに仕上げていくことになるが、2年連続開幕投手の可能性は十分だ。
2015年からミスタードラゴンズ・立浪和義氏の「3」を背負うなど、球団の期待が高い高橋周平。今キャンプでは質、量ともに充実した日程を消化し、練習試合では好調をキープ。しかし、オープン戦では5試合を終えて打率.211、1本塁打、2打点とやや物足りない成績に終わっている。ここから状態を上げ、今季こそチームもファンも待ち望むブレイクを果たせるか。
巨人は、高橋由伸監督が“キャンプMVP”として選手の名前を挙げることはなかったが、山口俊らの意気込みを評価していた。
ヤクルトの小川淳司監督の口からも個々の名前は出なかったが、「90点から95点くらいはあげてもいいんじゃないかな」と、チームの仕上がりに手応えをつかんだようだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)