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マジェスティックにアンダーアーマー。海外企業が侵食中!? プロ野球のユニフォーム事情

2015年から巨人のサプライヤーとなったアンダーアーマーのユニフォームを着用する高橋由伸監督

 プロ野球のユニフォームはときに「戦闘服」と呼ばれることもある。多くの野球ファンにとってユニフォームはチームの「顔」というべきものであり、とても大事なものだといえる。

 そのプロ野球のユニフォームも2000年代に入り、大きな変革が現れてきた。海外企業の参入だ。その歴史と拡がり方を改めておさらいしよう。

西武はナイキ、巨人はアディダス……


 2001年、プロ野球のユニフォームに関するトピックスで大きな話題を呼んだのが、アメリカのスポーツメーカー・ナイキが西武とサプライヤー契約を交わしたことだ。

 ちょうどこの時期からプロ野球のユニフォームに企業広告を入れることが許されるようになり、西武のホームユニフォームの右胸付近に、ナイキのお馴染みのロゴ「スウォッシュマーク」がつけられた。

 ビジターユニフォームも翌2002年からナイキ製に変わり、それまでは選手個人との契約がメインだった海外企業が球団全体にじわじわと勢力を広げていく。ナイキと西武の関係は2015年まで続いた。

 そして、西武以上に衝撃だったのが2006年、巨人がアディダスと契約したことだった。アディダスは前年2005年から東京ドームのバックスクリーン付近に広告を出していたが、今となってはユニフォーム契約の布石だったのかもしれない。

 また、アディダスは巨人と契約を結ぶ前、学生スポーツの雄・早稲田大の野球部やラグビー部にユニフォーム・用具を提供していた。早稲田大、巨人とプロアマの伝統あるチームにアディダスが入ったことも大きな出来事だ。

 巨人がアディダスのユニフォームを着用したことで、「花文字」が特徴的だったチーム名の文字デザインが、角ばった新しいものなったり、ズボンにアディダス特有の「3本線」が入るなど変更点も見られた。

 現役時代はミズノの顔だった原辰徳監督が、アディダスのシューズを履く姿に違和感を受けた巨人ファンもいたことだろう。

パ・リーグは6球団中4球団がマジェスティック製ユニフォーム


 現在、プロ野球のユニフォームにおける「最大勢力」となっているのがアメリカの企業・マジェスティックだ。

 元々、MLBのユニフォームで多くのシェアを誇っていたマジェスティックは、2014年に楽天と交わしたサプライヤー契約を皮切りに本格的に日本プロ野球に参入。2016年にはヤクルト、ソフトバンク、西武がマジェスティック製のユニフォームとなり、さらに今年からはロッテも加わり12球団中5球団、パ・リーグだけ見れば6球団中4球団と一気に勢力を拡大した。

 マジェスティックはユニフォームだけでなく、グラウンドコートやパーカーなども提供。MLBで培ったノウハウを日本でも踏襲しようとしている。今後もマジェスティック製のユニフォームに変わる球団が出てくるのだろうか。


「新進気鋭」のアンダーアーマー


 アディダスのユニフォームを着用してきた巨人は、2015年からアンダーアーマーとサプライヤー契約を締結。1953年当時のユニフォームを基調としたクラシカルなデザインに変わった。

 アンダーアーマーは1996年設立でナイキ、アディダスと比べると後発のスポーツメーカー。日本では2000年代初頭に「ピチピチしたアンダーシャツ」として知名度が上がり、近年はグラブ、スパイクと野球用具にも力を注ぐ。

 最近では、今年2月に独立リーグ・四国アイランドリーグplusとオフィシャルパートナー契約を締結し、全4球団のユニフォームがアンダーアーマー製となった。

 さらに昨年末には、MLBと2020年から10年間に渡るオフィシャルサプライヤー契約を結び、マジェスティックに代わり全30球団のユニフォーム・用具を取り扱うことになった。アンダーアーマーの動向は今後も見逃せない。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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