規定打席以上では唯一の4割打者(打率.455)として、オープン戦のリーディングヒッター街道をひた走っている内田靖人(楽天)。
昨季はイースタン・リーグで本塁打王と打点王の2冠に輝く、今季のブレイクを期待されていたが、このオープン戦では首脳陣もファンも満足の成長曲線を描いている。守備では、主に一塁と三塁で出場。この好調が続けば梨田昌孝監督の舌(ダジャレ)も滑らかになりそうだ。
毎年ブレイク候補に挙がるものの、なかなか結果を出せなかった岡本和真(巨人)。今季はひと皮むけた雰囲気を漂わせている。
ここまでの13試合で13打点は1位、4本塁打も1位タイと絶好調(順位は規定打席以上)。ZOZOマリンスタジアムの逆風を物ともせずスタンドに叩き込むなど内容的にも申し分ない。
ドラフト1位のスラッガー候補だけに物足りない成績を揶揄されることもあったが、今季でそんな雑音はシャットアウトしたい。
■宗佑磨(オリックス)
今季のオープン戦で名前を一番売ったのは宗佑磨(オリックス)だろう。10試合で打率.316、4本塁打(1位タイ)、4盗塁(1位タイ)と、打に走にハイブリッドな活躍を見せている。
オリックス出身の俊足巧打選手といえばイチローだが、実は新人合同自主トレで対面した際に、イチローは宗の柔軟性を評価していたのだ。
イチローのお墨つきとあれば宗の活躍はもはや天命とも思える。評価してくれた大先輩の期待に応えるためにも、この調子をキープしてシーズンも駆け抜けてほしい。
今回紹介した3人は、過去最高のオープン戦成績を挙げている。持ち球を試しながらの投球をしている投手も多い段階とはいえ、まぐれでは片づけられない立派な成績だ。
真の実力か否かはシーズンが始まればわかる。筆者はこの3人が今季のプロ野球界を沸かるはずと信じながら、開幕までのカウントダウンを進めたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)