五十嵐亮太(38歳)、和田毅、サファテ(ともに36歳)、中田賢一、攝津正(ともに35歳)と主力投手陣が高齢化してきたなか、今季は若い力が続々登場。まずは育成出身の石川柊太が開幕1軍をつかみ、5月には初先発で初勝利。現在までに5勝を挙げ、先発ローテーション入りを果たした。
2014年のドラ1・松本裕樹も先発デビュー。10試合に先発も2勝となかなか勝ち星に恵まれないが、楽天との首位攻防戦や、「鷹の祭典」など大舞台での登板が多く、その経験が未来につながりそうだ。
ほかにも高橋純平、笠原大芽、笠谷俊介、小澤怜史、そしてモイネロが1軍デビュー。笠谷、小澤と2試合連続のヒーローインタビューは、初々しさ満点だった。
中堅、ベテラン陣が元気ななか、これだけ若手にチャンスを与えるというのは先を見据えての起用だろう。
今季は投手陣だけではなく、野手陣も若手の台頭が目立つ。育成出身の甲斐拓也、プロ4年目の上林誠知がレギュラーに名を連ねれば、真砂勇介、曽根海成、栗原陵矢が1軍デビューを果たした。
また、塚田正義は2年ぶりの本塁打を放ち、高田知季、釜元豪も足で守備でとアピールしている。
投手13人制のため控え野手は6名という狭き門。この1軍での経験をしっかりと生かして、さらなる成長を遂げてほしい。
若手の頑張りにベテラン陣も刺激を受けている。5月に不振で2軍落ちした本多雄一は、およそ2カ月半ぶりに1軍復帰。復帰初戦で先制打を放つと、翌日には試合を決めるタイムリーを放ちヒーローインタビューで喝采を浴びた。
そして、8月26日のロッテ戦では戦列を離れていた和田毅が復帰。内川聖一の骨折による離脱は残念だが、次々と戦力が戻り、ピースが埋まるどころか溢れかえっている状態だ。
8月の大型連勝で首位独走態勢に入ったソフトバンク。しかし、毎年9月に弱く、2014年は最終戦まで優勝がずれ込んでしまった。昨季も9月に首位から滑り落ちたので油断は禁物だ。
苦い過去は、もう繰り返さない。ペネントレース終了まで残り約1カ月。10連覇という壮大な目標の第一歩であるV1へ向け、突き進め福岡ソフトバンクホークス!
(成績は8月29日現在)
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌で広告代理店を営む48歳。北海道生まれ札幌在住ながらホークスファン歴40年。「毎日ソフトバンクホークス」というブログを始めました。毎日……としてますが、ホントに毎日書くのかな?? https://fukuokahawks.themedia.jp/