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《ウインターリーグ総決算》AWBで大爆発の吉田正尚(オリックス)ら活躍した選手をチェック!


 12月も下旬に入りウインターリーグに参加していた選手たちが帰国し始めている。

 昨年は筒香嘉智(DeNA)がドミニカ共和国のウインターリーグに参加したように、年々重要視されているウインターリーグ。今年のウインターリーグでは、「一皮むけた!」と言いたくなる大活躍を見せた選手は現れたのだろうか。

 今回は、各地のウインターリーグで活躍した日本人選手をご紹介したい。

※成績は12月19日現在

アジア・ウインターリーグ(AWB)


 若手の登竜門となりつつあるアジア・ウインターリーグ(AWB、開催地:台湾)。日本からは今回、イースタン・リーグ選抜、ウエスタン・リーグ選抜の2チームが派遣され、約1カ月に及ぶリーグ戦を戦い抜いた。

 決勝に進んだチームはウエスタン・リーグ選抜とイースタン・リーグ選抜。日本勢の対戦となり、6対1でウエスタン・リーグ選抜が優勝を飾った。

 大会の表彰選手を見ると、吉田正尚(オリックス)が最優秀打者、青柳晃洋(阪神)が最優秀投手に選出。特に吉田は18試合で打率.556(54打数30安打)、6本塁打、29打点と圧倒的な成績を残し、首位打者、最多本塁打、最多打点、最多安打と打撃タイトルを独占した。ルーキーイヤーの今季、1軍で10本塁打を放った実力をいかんなく発揮した形だ。

 青柳は6試合に登板し3勝0敗、防御率1.45と安定した投球を見せた。昨年の同リーグでは岩貞祐太(阪神)が最優秀投手のタイトルを獲得し、今シーズンの飛躍につなげている。青柳も先輩に続きたいところだ。

 そのほかには青山大紀(オリックス)、古川侑利(楽天)らの好投が光った。両投手とも1軍での実績はないが、来シーズンの飛躍に期待したい。

【アジア・ウインターリーグ(AWB)の主な選手成績】
■投手
青柳晃洋(阪神)
6試合/3勝0敗/投球回18.2/奪三振20/与四死球8/防御率1.45

青山大紀(オリックス)
6試合/3勝0敗/投球回18.1/奪三振11/与四死球4/防御率0.00

古川侑利(楽天)
7試合/1勝1敗/4ホールド/投球回22/奪三振26/与四死球4/防御率1.23

■野手
吉田正尚(オリックス)
18試合/打率.556/6本塁打/29打点

横田慎太郎(阪神)
18試合/打率.379/1本塁打/8打点

網谷圭将(DeNA)
16試合/打率.380/0本塁打/6打点

プエルトリコ・ウインターリーグ


 高木勇人、平良拳太郎、岡本和真(ともに巨人)に加え、12月初旬には松坂大輔(ソフトバンク)らが合流し注目を浴びたプエルトリコのウインターリーグ。

 松坂は初登板で4回を投げ、6四球、2失点とピリッとしなかったが、2度目の登板では5回を1失点、2四球とまずまずの投球でまとめてみせた。ここで松坂はツーシームを試している。カットボールと同様に実戦で使えるようになれば、投球の幅が広がりそうだ。

 高木は8試合に登板し0勝4敗と勝ち星なし。しかし、防御率は2.67と内容は悪くない。当初は与四球数が奪三振数より多く苦しんだが、直近の3戦は12回2/3を投げて6奪三振、2四球と復調した。

 岡本は不振が続いていたが、チームメートの捕手から「難しく考えすぎるな」とアドバイスを受けて以降、当たりが出始めた。2試合連続で二塁打を放つなどポテンシャルの高さを見せた。

【プエルトリコ・ウインターリーグの主な選手成績】
■投手
松坂大輔(ソフトバンク)
2試合/0勝2敗/投球回9/奪三振5/与四球8/防御率3.00

高木勇人(巨人)
8試合/0勝4敗/投球回33.2/奪三振16/与四球19/防御率2.67

平良拳太郎(巨人)
5試合/0勝0敗/投球回5/奪三振3/与四球2/防御率3.60

<野手>
■岡本和真(巨人)
32試合/打率.248/0本塁打/3打点


メキシコ・ウインターリーグ/オーストラリア・ウインターリーグ


 台湾、プエルトリコ以外でもウインターリーグは行われている。そこでも多くの日本人選手たちが活躍した。

 メキシコのウインターリーグでは五十嵐亮太(ソフトバンク)が、なんとプロに入って初の先発登板を経験。最長8回を投げるなど7試合3勝2敗、防御率1.93の好成績を残し、意外な先発適性をみせた。

 この事態は、チームの首脳陣が五十嵐のことを、元メジャーリーガーの高橋尚成氏と勘違いしたことから起こった偶然の産物。37歳の五十嵐もこの起用には驚いたが、しっかりと結果を残してみせた。

 同じくメキシコではプロ4年目の森雄大(楽天)も3試合に登板し1勝1敗、防御率2.81。今シーズンの1軍登板はなかったが、来シーズンのローテーション争いに加わりな気配を感じさせる。

 オーストラリアのウインターリーグには、西武が本田圭佑、野田昇吾、駒月仁人の3選手を派遣。10月末から開催されたWBSC U-23ワールドカップで好投した本田は、このウインターリーグでも好投。来シーズンの先発ローテーションに加わってくるのは間違いなさそうだ。

 野田は初戦登板で2失点を喫したが、それ以降は7試合連続無失点。中継ぎの役割を果たしている。駒月は高校時代のポジションである捕手にコンバートされた直後ということもあり、試合には出場せず。外国人選手にもまれながら、キャッチングの特訓を行った。

【メキシコ・ウインターリーグの主な選手成績】
■投手
五十嵐亮太(ソフトバンク)
7試合/3勝2敗/投球回37.1/奪三振49/与四球9/防御率1.93

森雄大(楽天)
3試合/1勝1敗/投球回16/奪三振16/与四球6/防御率2.81

【オーストラリア・ウインターリーグの主な選手成績】
本田圭佑(西武)
5試合/4勝0敗/投球回29.2/奪三振27/与四球10/防御率1.21

野田昇吾(西武)
8試合/1勝0敗/投球回8.2/奪三振8/与四球4/防御率2.08


文=勝田 聡(かつた・さとし)

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