春季キャンがプ始まり、各球団がオープン戦、そして開幕に向けて戦力を整えている。ルーキーや若手、新外国人などが期待を集める一方で、ファンが怪訝な表情で見るのは、オフに大減俸を飲んだ「期待外れ」の選手たちだ。
それでも大減俸になったのは、もともと高給を得る実力があったから。華麗な復活に期待したい「巻き返し組」をフィーチャーしたい。
(年俸はすべて推定)
■年俸ダウン額
1億5000万円→2000万円
■昨季成績
43試合:打率.148 / 1本塁打 / 5打点 / 1盗塁 / OPS.555
巨人ファンから大ブーイングを受けたのは、大ベテランの中島宏之だ。昨季、オリックスから移籍したものの、開幕から状態が上がらず、まったく戦力にならなかった。
しかし、オリックス時代には打率.280前後、出塁率.350前後をコンスタントに記録しており、推定年俸1億5000万円の価値はあった。
本来ならば、このままフェードアウトしそうなものだが、中島にとって幸いなのは、阿部慎之助が引退し、新外国人のパーラが外野手だったこと。今季の巨人は4番・岡本和真の三塁固定が本線だが、一塁は大城卓三がスタメン候補筆頭で層は厚いとはいえない。巻き返すチャンスは十分にあるだろう。
■年俸ダウン額
1億4000万円→4000万円
■昨季成績
37試合:打率.164 / 0本塁打 / 7打点 / 0盗塁 / OPS.404
2015年に首位打者を獲得し、リーグ優勝に貢献した川端慎吾もここ3年は「期待外れ」に終わっている。
2017年に椎間板ヘルニアでシーズンを棒に振ると、その後も腰痛に悩まされ、昨季はついに打率1割台。4年契約が切れるタイミングで大減俸になった。
32歳とまだ老け込む年齢ではない。1月には腰に再びメスを入れ、完全復活に向けてコンディションを整えている。
■年俸ダウン額
6600万円→3600万円
■昨季成績
61試合:打率.258 / 2本塁打 / 10打点 / 1盗塁 / OPS.642
楽天の功労者・藤田一也もひっそりと渋い査定を食らった。昨季は二塁に浅村栄斗が加入し、遊撃、三塁で勝負することになったが、なかなか出場機会を得られなかった。
今季は鈴木大地やドラ1・小深田大翔が加入し、さらに窮地に追い込まれそうだが、代打や守備固め、ケガ人が出た際のバックアップとして準備を整え、ベテランの意地を見せたい。
■年俸ダウン額
8400万円→4000万円
■昨季成績
2試合:0勝2敗 / 投球回1.2 / 奪三振1 / 防御率10.80
そういえば、いつの間にか見なくなったのは、ロッテの大谷智久。2010年代はしぶとくブルペンを支えてきたものの、2018年に45試合で防御率5.40の不振に陥ると、昨季は9月の2試合に登板したのみ。活躍の場を失った。
ただし、2軍では34試合で防御率1.57を記録しており、実戦能力は依然高い。投手陣最年長だが、若手に負けない気迫を見せ、再びリリーフエースに返り咲きたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)