レギュラーシーズンも終了し、両リーグともに順位が確定。シーズン開幕前に話題になった新監督たちの成績はどうだったか、振り返ってみたい。
セ・パともに新監督が優勝したのは、1986年の阿南準郎(広島)と森祇晶(西武)、2002年の原辰徳(巨人)と伊原春樹(西武)、2004年の落合博満(中日)と伊東勤(西武)に続いて4例目。
真中監督は2年連続最下位のチームを大きくジャンプアップさせての優勝。
一方の工藤監督が引き継いだのは、前年の優勝チームではあったものの、90勝に到達する歴史的な圧勝を記録した。両新監督とも、好内容でのペナント奪取だったと言っていいだろう。
惜しかったのが4位に終わった両監督だ。緒方監督率いる広島は、シーズン最終戦で勝てば3位という状況まで持ち込んだものの、0−3で中日に惜敗してクライマックスシリーズ進出を逃した。この試合、黒田博樹やジョンソンまでベンチ入りさせながら、前田健太が7回まで無失点で抑えたあと、前の登板で打ち込まれていた大瀬良大地を8回から投入する継投には、ファンからも疑問の声が多く上がった。
田邊監督の西武も、3位のロッテに最終的には2ゲーム差をつけられた。しかし、10月1日のシーズン最終戦に勝っていれば(1−4で敗戦)、試合を多く残していたロッテにプレッシャーを与えることができたはず。最終結果は違っていた可能性はある。こちらも、最終戦前のオリックス戦で、5点差の場面から翌日の予告先発として発表されていた岡本洋介をリリーフとして送るという、ワイルドすぎる投手リレーを見せた(翌日に予告どおり先発した岡本は2回1/3を2失点で敗戦投手に)。
とはいえ両監督とも、初年度から見せ場を作っての4位なら、ぎりぎり及第点と言えなくもないか。CSを逃した悔しさは、ぜひとも来季に生かしていただきたい。
そして5人の中で、唯一ユニフォームを脱ぐことになったのが大久保監督だ。オーナーの現場介入により田代富雄打撃コーチがシーズン途中で辞任するなど、首脳陣、選手、フロントが一枚岩になりきれず、シーズンを通してほぼBクラスで終戦。ただ、まだ48歳。どんな形であれ、今後もユニフォームを着る機会があるかもしれない。ぜひともリベンジを期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)