ドラフトまであと1カ月を切った。プロ志望届も続々と提出されている。各球団のドラ1指名も楽しみだが、甲子園に出なかった高校生の逸材がどうなるかもドラフトの見所のひとつだろう。
近年のプロ野球を見ても山本由伸、榊原翼(ともにオリックス)、砂田毅樹(DeNA)など、甲子園経験なし&ドラフト下位・育成から台頭を果たした選手は枚挙に暇がない。
ファンにとって見どころであると同時に、スカウト・編成にとっては腕と眼の見せどころでもあるのだ。プロ志望届を提出している今年注目の甲子園未出場組を紹介しよう。
甲子園未出場ながら侍ジャパンU-18代表に選出された本格派右腕。最速149キロのストレート、タテのスライダー、チェンジアップのコンビネーションで三振を奪う。181センチ85キロの体格も評価されている。
プロ志望届は提出済み。九州・沖縄地区では左の宮城大弥(興南)、右の浅田将汰(有明)が2トップという評価を確立しており、2、3位あたりで狙いにいく球団もありそうだ。
最速150キロを誇る北海道最速右腕。183キロ86キロの体だが、技術的にはまだまだ伸びしろがありそう。北海道から唯一、侍ジャパンU-18一次候補合宿に選出。本人は「育成でも」と話しているが、150キロの大台に乗せていることから本指名もあり得る。
174センチ68キロの細身の左腕。最速144キロだが、長い腕がムチのようにしなり、抜群の切れ味と安定感を誇る。今夏は群馬大会決勝に進出。今年の高校生左腕では間違いなく5指に入る。
甲子園未出場の高校生左腕のなかで最も注目を集める存在。最速147キロのストレートに出色の制球力。今夏の福井大会では大会史上最多の52奪三振。決勝戦で敗れはしたものの、敦賀気比から10三振を奪った。5試合に先発しても勢いは途切れなかった。
186センチ81キロ。長打力が魅力で特大ホームランを放ってプロスカウトをうならせている。身のこなしもよく、内角打ちもうまい。これぞ「坂本勇人(巨人)2世」といえる大型遊撃手。上背もあり、人気が集まりそうな逸材。
178センチ85キロ。最速145キロのストレートとスライダーのコンビネーションが冴える右腕。ボディーバランス抜群の力感。打っても中軸を務め、野手としても好素材。昨秋から故障に苦しんでいるが、そこをどう見るか。
185センチ90キロの体格にクセの少ないフォーム、馬力を持ち合わせたスリークオーター右腕。最速は147キロだが、コンスタントに140キロを超えてくるため、スカウト人気は非常に高い。大型投手特有のぎこちなさがなく、その分、指名順位も上がりそうだ。
183センチ85キロ。関西屈指の打撃職人。コンタクト能力に長け、ミスショットが極めて少ない。下半身の大きさには定評があり、これだけの体重がありながら、上半身はまだ未開拓。今後、上半身も鍛えていけば100キロ級まで肉体改造できる。打撃センスは全国級の隠れ逸材。下位指名まで射程圏内。
175センチ82キロ。最速152キロ右腕。コントロールが課題だが、馬力はすさまじいものがある。高校生では珍しく、力強いナックルカーブ、パワーカーブも持っており、磨けば光る武器がある。
文=落合初春(おちあい・もとはる)