週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

糸井嘉男(阪神)は187センチ。柳田悠岐(ソフトバンク)は188センチ。盗塁上手な大柄選手たち

2016年のパ・リーグ盗塁王糸井嘉男(阪神)は身長187センチ

 週刊野球太郎が送る連載企画『主要タイトルと体の意外な関係!?』。「小柄だけど◎◎」「大柄だけど◎◎」という「体と成績」における一般論を覆して素晴らしい成績を残した選手たちを紹介してきた。

 最終回となる今回は「大柄だけど盗塁が多い選手」を取り上げよう。

通算盗塁数10傑には小柄な選手が多い


 塁間は27.431メートルで、要する時間は3秒ちょっと。盗塁とは、とにかく短距離&短時間での勝負だ。なので、本来はスピードに乗りやすい小柄な選手のほうが適しているのだろう。それは、以下の通算盗塁数ベスト10からも見てとれる。

■通算盗塁数ベスト10
1位:福本豊(元阪急)/1065盗塁/168センチ
2位:広瀬叔功(元南海)/596盗塁/176センチ
3位:柴田勲(元巨人)/579盗塁/175センチ
4位:木塚忠助(元南海ほか)/479盗塁/168センチ
5位:高橋慶彦(元広島ほか)/477盗塁/176センチ
6位:金山次郎(元広島ほか)/456盗塁/169センチ
7位:大石大二郎(元近鉄)/415盗塁/166センチ
8位:飯田徳治(元南海ほか)/390盗塁/173センチ
9位:呉昌征(東京巨人軍ほか)/381盗塁/167センチ
9位:赤星憲広(阪神)/381盗塁/170センチ

 この顔ぶれと身長を見てもわかるとおり、170センチ以下が6人、最高でも176センチ。プレーしていた年代が昔の選手が多いといえども、全体的に小柄だ。ちなみに、11位は374盗塁の荒木雅博(中日)で180センチ。ここでようやく180センチ台が登場するほど。

 ただ、ここ最近は盗塁を量産している選手の大型化が進んでいる。

身体能力は球界トップクラスの糸井


 その筆頭格が187センチの糸井嘉男(阪神)だ。2016年は53盗塁をマークし、初の盗塁王を獲得。これは、史上最年長記録でもあった。

 糸井は、ただ長身なだけでなく、もともと高い身体能力に加えて、がっちりとした上半身からもわかるように体を鍛えに鍛えている。加齢からくる衰えを感じさせない身体能力は、球界トップクラスとも言われる。

 今季からは阪神の一員としてプレーし、開幕から「3番・中堅」でほぼフル出場。4月19日終了時点で打率.302、3本塁打と結果も残している。盗塁こそまだ2個だが、セ・リーグのバッテリーや球場に慣れてくれば、ペースは上がってくるだろう。


トリプルスリー経験者も大柄


 2015年にトリプルスリーを揃って達成した柳田悠岐(ソフトバンク)と山田哲人(ヤクルト)も長身だ。

 柳田は身長188センチ。糸井とほぼ同じだが、2015年は34本塁打を放っており、打球の飛距離は糸井以上。まだ盗塁王のタイトル獲得には至っていないものの、2014年が33個、2015年が32個。昨年は左膝のケガもあって23個にとどまったが、コンディションが万全なら30オーバーは難しい数字ではない。

 今季は、4月19日までで、6回試みて4回成功している。このペースだとシーズン終了時点では35.7個となるが、精度が上がってくれば、数字はさらに伸びそうだ。

 山田はスリムな体形で大柄な印象は薄めだが、身長は180センチある。糸井や柳田と違って、その「細さ」がスピードにつながっているのだろう。中学生時代に100メートル走で11秒5を記録したという「持って生まれた足の速さ」に加えて、高3夏の甲子園では一、三塁からのホームスチールを記録したように走塁センスも高い選手だった。

 プロ入り後は盗塁王(2008年、2009年ともに42盗塁)を2度獲得している福地寿樹コーチの薫陶を受け、走りのテクニックにも磨きをかけた。その結果、盗塁は2015年が34個、2016年が30個を数え、2年連続で盗塁王を獲得している。

 今季は4月19日までで4盗塁。143試合で換算すると柳田と同じ35.7個。このペースで走り続ければ、3年連続盗塁王も見えてくる。


走れる大型選手が増加!?


 ほかにも、昨季53盗塁で糸井と同数だった金子侑司(西武)は身長179センチ、2014年に39盗塁の梶谷隆幸(DeNA)は180センチ、43盗塁の西川遥輝は179センチ、2013年に47盗塁で今季は巨人に加入した陽岱鋼が183センチ、2012年に54盗塁を記録している聖澤諒(楽天)は179センチと、大柄な盗塁王経験者が増えている。

 なお、4月18日終了時点で、セの最多盗塁は5盗塁の安部友裕(181センチ)、パは4盗塁の柳田に続き、西川と西武のルーキー・源田壮亮(179センチ)が3盗塁で並んでいる。今季も、大柄スプリンターたちが塁間をにぎわしそうだ。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方