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2015年は大学野球に注目! 六大学・東都以外にも名を連ねるドラフト候補を一挙紹介!

 今年も多くの大学生がドラフト候補として名前を挙げられている。東京六大学リーグや東都大学リーグに比べ、注目度が低いリーグでも、特に投手には多くの好選手が力を付け、最終学年での飛躍を目指している。

●実績と経験豊富な侍ジャパン組

 まず名前を挙げたいのが大学日本代表に選ばれた選手たち。仙台六大学リーグの仙台大・熊原健人(新4年・柴田高)や関西学生リーグの立命館大・桜井俊貴(新4年・北須磨高)の両右腕はともにストレートにキレがある。春はチームを全国に導き、秋は「侍ジャパン」に選出され、台湾で行われた「IBAF 21Uワールドカップ」で貴重な経験を積んだ。

 首都大学リーグでしのぎを削る東海大・吉田侑樹(新4年・東海大仰星高)と帝京大・西村天裕(新4年・和歌山商高)の両右腕もドラフト上位候補といえる。

 吉田は昨春に公式戦初勝利を挙げると、その後、怒濤の8連勝(リーグ戦で5勝、大学選手権で3勝)で日本一を獲得。大学日本代表として出場したハーレム国際大会でも好投を見せるなど、劇的な成長を遂げた1年となった。187センチの長身を生かした角度のあるストレートとスライダー、縦に落ちるカーブやフォークを駆使し、非常に完成度が高い投手だ。

 対する西村は代表入りこそ逃しているが、大学日本代表候補の常連だ。  昨秋の対東海大1回戦で、東海大のリーグ連勝記録を「33」で止める5安打1失点完投勝利を挙げると、翌日の2回戦では6回無失点の好リリーフで連勝に貢献。最速152キロのストレートが最大の魅力で、スライダーやカットボールなどにもキレがある。唐澤良一監督が「人間性、タフさ、野球に対する姿勢すべて含めて、私が帝京大で指導してきた17年間でナンバーワン」と太鼓判を押している。

▲21Uワールドカップでも好投を見せた仙台大・熊原

●もうひと皮むけると上位候補にも挙がる投手たち・東日本編

 「関甲新のダルビッシュ」とも評したくなる190センチの大型右腕がいる。関甲新学生リーグ・常磐大の吉田慶司郎(新4年・仙台育英高)が面白い存在。ストレートの球速も140キロ台中盤まで伸びてきており、既に一部のスカウトから高い評価を得ている。

 身長174センチながら全身を大きく使ったフォームで安定感もある東京新大学リーグの創価大・小松貴志(新4年・創価高)。球の威力・キレともに伸びてきており、小川泰弘(ヤクルト)らを育てた佐藤康弘コーチのもとで、あと1年どれだけ力を伸ばせるか。

 北海道・東北地区では前述の熊原以外にも3人の好投手の名前が挙がる。

 まずその筆頭格は、1年秋の明治神宮大会で、国際武道大相手にノーヒットノーランを達成している北東北大学リーグ・富士大の多和田真三郎(新4年・中部商高)。重心を低く落としたフォームから浮きがるように伸びるストレートは150キロ台も計測するほどで、変化球も多彩。昨秋の明治神宮大会では不調からか創価大相手にノックアウトされてしまったが、この悔しさをバネにもう一回り成長した姿を見せたい。


 逆にその明治神宮大会で輝いたのが北海道学生リーグ・東農大北海道オホーツクの井口和朋だ(新4年・武相高)。3試合で12回2/3を投げ、5安打16奪三振、無失点という力投でチームの4強進出に大きく貢献した。最速146キロのストレートに、スライダーやスプリットを織り交ぜた投げっぷりの良さは出色の出来で、11月後半に行われた大学日本代表候補合宿にも初招集された。まさに伸び盛りの投手だ。

 全国的にはほとんど無名ながら札幌学生リーグ・北海学園大の川越誠司(新4年・北海高)も速球派左腕として一部で評判が高い。北海高では4番を務め、大学でも走攻守揃った野手としても活躍している。「二刀流」として注目度が高い。

●もうひと皮むけると上位候補にも挙がる投手たち・西日本編

 先に桜井を紹介した関西学生リーグでは他にも、全国大会にエースとして出場経験のある関西大の石田光宏(新4年・近江高)、関西学院大の宇都宮健太(新4年・香川西高)に、日本代表候補合宿にも選出されたことのある同志社大の柏原史陽(新4年・桐光学園高)の3投手も楽しみな素材。

 九州地域では、下級生時から実績を残している九州六大学リーグ・福岡大の左腕・唐仁原志貴(新4年・小林高)、185センチの長身から投げ下ろす150キロ近いストレートが魅力の福岡六大学リーグ・福岡工業大の笛田怜平(新4年・鹿児島南高)、力強い剛球で2年生ながら2013年の大学日本代表に選出された日本文理大の田中豊樹(新4年・佐賀商高)も評価が高い。

 他にも、中部学院大の斎藤弘志(新4年・大産大付高)や福井工業大の井上和紀(新4年・帝京五高)も楽しみな好左腕である。


▲中部学院大の斎藤弘志


▲福井工業大の井上和紀

●大型捕手・宇佐見ら楽しみな大学生野手も

 野手に関しては、どうしても東京六大学リーグと東都大学リーグに好素材が集中している感は否めない。だが、強肩強打の大型捕手である千葉県大学リーグ・城西国際大の宇佐見真吾(新4年・市柏高)、昨年の大学日本代表にも選出された首都大学リーグ・東海大の田中俊太(新4年・東海大相模高)や関西学生リーグ・立命館大の山足達也(新4年・大阪桐蔭高)。

 右打ちで俊足強肩の関西六大学リーグ・大阪商業大の吉持亮汰(新4年・広陵高)、長打力が魅力の北東北大学リーグ・富士大の久保皓史(新4年・佐賀商高)、巧守に加え打撃にパンチ力がある遊撃手の東京新大学リーグ・創価大の花本太紀(新4年・東大阪大柏原高)と福岡六大学リーグ・九州産業大の森松裕次郎(新4年・延岡学園高)にも注目だ。

▲強肩強打が売りで大学日本代表候補合宿にも初選出された宇佐見(城西国際大)


■プロフィール
写真・文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』随時更新中。twitterアカウントは@ you_the_ballad (https://twitter.com/you_the_ballad)

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