高校野球の最前線をお伝えする連載企画「高校野球最前線 秋の陣!」。各都道府県の秋季大会も終盤戦。春のセンバツに向けて盛り上がっている。先週はどんな出来事があったのか、一挙プレイバック。
昨夏の全日本少年で明徳義塾中を準優勝に導いた好右腕・関戸康介(大阪桐蔭)。
中学時代は森木大智(高知中〜高知高)、伊藤樹、笹倉世凪(ともに仙台育英学園秀光中〜仙台育英高)とともに140キロカルテットを形成し、「中学軟式ビッグ4」とも呼ばれた。中3夏に明徳義塾中から地元・長崎に戻り、一般入試で大阪桐蔭に入学した。
その関戸がついに大阪桐蔭で公式戦デビューを果たした。3回戦の岸和田戦、大量リードの場面で登板。2回を3奪三振無失点に抑え、才能の片鱗を見せつけた。安定したフォームで最速は146キロ。この時期の1年生投手としては、頭一つ抜け出ている。
森木、伊藤、笹倉はすでに結果を出し始めており、関戸もライバルに追いつきたいところだ。
9月20日の金曜日、甲子園でも活躍した大物たちが続々とプロ志望届を提出した。注目の逸材を紹介したい。
韮澤雄也(花咲徳栄)は巧打の遊撃手。1年秋から3番ショートを務め、甲子園に2度出場。侍ジャパンU-18代表では一塁を守り、WBSC U-18ベースボールワールドカップでは打率.345を記録した。
井上広輝(日大三)はドラフト上位候補。今年の甲子園は逃したが、2年春夏に甲子園出場。聖地で150キロを記録しており、最速は152キロ。佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)らの陰に隠れているが、虎視眈々と狙う球団は多そうだ。
センバツで全国制覇の原動力になった石川昂弥(東邦)もプロ志望届を提出した。侍ジャパンU-18代表では木製バットに適応し、4番を任された。高校生スラッガーとしてはナンバーワンの評価を得ており、ウエーバー順の早い球団は舌なめずりしているのではないだろうか。
その他、夏の甲子園決勝で勝利に導く本塁打を放った大砲・井上広大(履正社)も同じく20日に志望届を提出しリストに入っている。
9月20日、高野連は選手の安全性を考慮し、金属バットの性能を見直す方針を明らかにした。具体的には反発を低くし、打球速度を抑えるとのこと。つまり「飛ばないバット」になる予定だ。
2010年代はパワー全盛の時代だったが、規制の内容次第ではスモールベースボールの復権もあり得るだろう。
また、智辯和歌山は茨城国体で木製バットを使うことを表明した。国体は3年生中心。大学、社会人では木製バットを使用するため、実戦で投入しておいて損はない。1回戦の相手である星稜もこれに呼応し、木製バットで対戦することが決まった。
プロを目指す選手が個人で使うケースはあったが、全員木製バットでの対戦はなかなかお目にかかれない光景となりそうだ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)