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ドラ1投手による1対0の投手戦も! プロ野球選手たちの「センバツ決勝戦」!!


 第89回選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)では春の頂点を目指して日々熱戦が続き、様々なドラマが生まれている。

 これまで、88回行われた決勝戦でも名勝負が繰り広げられたが、その決勝を戦い、後のプロ野球界を盛り上げる存在となった選手も数多くいる。

 そこで過去20年を眺めて、現在のプロ野球で活躍する選手たちが戦ったセンバツ決勝戦をプレイバックしたい。

怪物と真っ向勝負!


■第70回大会決勝(1998年4月8日)
横浜(神奈川)対 関大一(大阪)
優勝校:横浜
スコア:3対0

 横浜の松坂大輔(ソフトバンク)と関大一の久保康友(DeNA)という両エースの投げ合いとなった1998年のセンバツ決勝。

 横浜は「平成の怪物」松坂を擁するだけでなく、小池正晃(現・DeNA2軍打撃コーチ)、後藤武敏(DeNA、現登録名・G.後藤武敏)、小山良男(現・中日育成コーチ)らプロに進んだ打者を揃えた強力打線だったが、久保は13安打されながらも粘り強く3点に抑えた。

 一方、松坂は、関大一打線を寄せつけず4安打完封。横浜に25年ぶり2度目のセンバツ優勝をもたらした。同年、横浜は夏の甲子園も制し、春夏連覇を達成。このセンバツは松坂の怪物伝説が幕を開けた大会でもあった。


Wエースを打ち崩したドラ1&2バッテリー


■第75回大会決勝(2003年4月3日)
広陵(広島)対 横浜(神奈川)
優勝校:広陵
スコア:15対3

 2003年のセンバツ決勝戦は、広陵の西村健太朗(巨人)、横浜の涌井秀章(ロッテ)の投げ合いでスタート。

 4回までに6点と着実に得点を積み上げていく広陵に対し、横浜は2点を返すのが精一杯。その後、横浜は2年生の涌井に代えて3年生の成瀬善久(ヤクルト)を送り込むが、勢いづいた広陵打線は止まらず、横浜のWエースを打ち崩しての大勝となった。

 西村は同年のドラフト2巡目で巨人に指名され、また、西村とバッテリーを組んでいた捕手・白濱裕太も同年のドラフト1巡目で広島から指名を受け、プロ入りを果たしている。

プロで活躍する2人の投手戦


■第81回大会決勝(2009年4月2日)
清峰(長崎)対 花巻東(岩手)
優勝校:清峰
スコア:1対0

 安定感抜群の投球で勝ち上がった清峰の今村猛(広島)。花巻東の150キロ左腕・菊池雄星(西武)。2009年の決勝戦は両エースが一歩も譲らない白熱した投手戦となった。

 試合が動いたのは7回表。菊池が2死から四球と適時二塁打で1点を失う。一方、花巻東打線は今村の前に沈黙したまま。そのまま清峰が逃げ切り、春夏通じて初の日本一を長崎に届けた。

 プロ入り後は、今村が中継ぎ、菊池が先発で活躍。役割が異なることから、先発での直接対決はなくなったが、今のところ同じ試合で投げたこともない。少し残念だ……。また、2人の対決を見たい。


南の海を越えた優勝旗


■第82回大会決勝(2010年4月3日)
興南(沖縄)対 日大三(東京)
優勝校:興南
スコア:10対5

 沖縄と東京の代表校による決戦となった2010年のセンバツ。独特のトルネード投法で大会を沸かせた興南の島袋洋奨(ソフトバンク)と決勝で対峙した日大三のエースは、のちに明治大を経てオリックスからドラフト1位指名される山?福也だった。

 試合は両校が激しく打ち合い5対5で延長戦へ突入。10回、11回はお互いにゼロを並べたものの、12回に山?が打ち込まれ、日大三はジ・エンド。

 興南は島袋が1人で投げきり、チームを初の全国大会優勝に導いた。なお、興南は同年夏の甲子園でも優勝。春夏連覇を達成した。


年をまたいでドラフト選手が躍動


■第84回大会決勝(2012年4月4日)
大阪桐蔭(大阪)対 光星学院(青森)
優勝校:大阪桐蔭
スコア:7対3

 田村龍弘(ロッテ)と北條史也(阪神)を主軸に神宮大会を制し、2011年夏に続く2季連続の決勝進出で、悲願の甲子園Vを狙う光星学院(現・八戸学院光星)。藤浪晋太郎(阪神)と森友哉(西武)の黄金バッテリーで大会の大本命と目される大阪桐蔭。2012年のセンバツ決勝は強豪同士の対戦となった。

 大阪桐蔭の絶対的エース・藤浪から3点を奪った光星学院だったが、大阪桐蔭の強力打線が負けじと打ち返して7得点。終わってみれば4点差で大阪桐蔭が危なげなく勝利し、初のセンバツ優勝を果たした。

 同年のドラフトで、藤浪と北條はドラフト1、2位で阪神入り。田村は3位でロッテに入団した。また、彼らより1学年下だった森は、翌年のドラフト1位で西武に入団。この決勝戦は、ドラフト上位候補が揃い踏みした稀に見る「豊作の決勝戦」だったと言える。


未来の宝は決勝戦に現れる


 こうして見ていくと、センバツの決勝戦では、後にプロで活躍する投手が投げ合うことが多いのに気づく。スターは必然的に聖地の大一番に姿を現す、そんな気さえした。

 今後も増えていくであろう名投手・名選手たちの「思い出のセンバツ決勝戦」。また10年後、20年後に振り返ってみたいと思う。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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