昨季の高卒新人野手は郡拓也(7位、帝京高)、今井順之助(9位、中京高)の2人だった。下位指名ということもあり、国内2軍キャンプスタートで2月を迎え、オープン戦への出場はなし。しかし、2人ともシーズンでは2軍で多くの試合に出場し、最終盤に1軍へ昇格。1年目から1軍デビューを果たしている。
2016年の新人高卒野手は平沼翔太(4位、敦賀気比高)ただ一人。敦賀気比高3年時のセンバツではエースとしてチームを優勝に導いたが、日本ハムには内野手として入団。キャンプは2軍スタートとなったものの、オープン戦には出場している。その試合、中田翔の代打として出場した平沼は、初球から積極的にスイングし、二塁へのゴロ。わずか1試合、1打席、1球の出番だったが、大きな財産になっただろう。
■2018年高卒新人野手
清宮幸太郎(1位、早稲田実)
難波侑平(4位、創志学園高)
■2017年高卒新人野手のオープン戦成績
郡拓也(7位、帝京高):出場なし
今井順之助(9位、中京高):出場なし
■2016年高卒新人野手のオープン戦成績
平沼翔太(4位、敦賀気比高):1試合/1打数/0安打
清宮と同じように大物ルーキーとして期待されていた先輩たちはどうだったのだろうか。
2007年のドラフト1位入団で、清宮と一塁を争うことになる中田のデビューは圧巻だった。2008年のオープン戦初戦に7番・一塁でスタメン出場すると、高崎健太郎(当時横浜)から初打席初本塁打をマーク。その後は故障もあり、1年目の1軍出場はなかったが、名刺がわりの一発をすでにオープン戦初打席で放っていたのだ
中田は本塁打だったが、2012年のドラフト1位で入団した大谷翔平(エンゼルス)はどうか。前代未聞の二刀流として話題を振りまいていた大谷は、チームオープン戦2試合目となる2月24日の広島戦に代打で登場。投手ではなく、まずは野手としてプロデビューを果たしている。結果は四球だったものの、プロでの大きな第一歩となった。
■中田翔と大谷翔平のオープン戦・初戦成績
中田翔(2007年1位、大阪桐蔭高):3打数1安打/1本塁打/1打点
大谷翔平(2012年1位、花巻東高):0打数0安打(1四球)
このように中田、大谷といった超大物ルーキーは、オープン戦の初打席で凡打に終わらない結果を残している。オープン戦といえども、ルーキーにとっては決して調整の場所ではない。清宮はどのような結果を残すだろうか。右手親指のコンディションにもよるが第1打席に注目したい。
文=勝田聡(かつた・さとし)