特別ユニフォーム第1弾は、2012年8月11日に配られたブルーとグリーンのグラデーションユニフォーム(写真)。
親会社の節目の年だったことから、「西武鉄道創立100周年記念シリーズ」と銘打って、ファンからデザインを公募。選考の結果、このユニフォームに決まり、炭谷銀仁朗と現オリックスの中島宏之がポスターのモデルになった。
着用したのは配布日の8月11日と12日の日本ハム戦、17〜19日の楽天戦。配布日こそ負けたものの、その後は4連勝で、楽天相手にシーズン初の同一カード3連勝を達成するなど、ゲンのいいユニフォームだったことで、今なお好印象を持つファンが多い。
ちなみにモデルの2人だが、中島は4試合でヒット1本(1試合欠場)、炭谷は18日こそ猛打賞だったものの、配布日は2打席目に代打を出されるなど散々だった。
第2弾は2013年の「ジャングル大帝ユニフォーム」。これはファンクラブ会員限定なので、厳密に言うと「配布」ではないのだが、特別ユニフォームということで触れておきたい。
西武のマスコット・レオと言えば、手塚治虫氏が生みの親。ということで、ジャングルをイメージしたゼブラ柄にレオを忍ばせたユニフォームを製作した。
着用は8月12〜14日のオリックス戦と、15〜17日の日本ハム戦の6連戦。気になる結果はというと……、1勝2敗3引き分けという煮え切らないものに。
またモデルは木村文紀と、今回も炭谷を起用。この時は炭谷こそホームランを打ったものの、木村に至っては直前に2軍落ちしており、着ることすらできずという始末。
ロッテの“弁当の呪い”ならぬ、“特別ユニフォームの呪い”か。
昨年は2012年のように配布するスタイルに戻し、黄色い記念ユニフォームをプレゼント。西武鉄道には古くから真っ黄色の電車が走っており、この時はファンに馴染みのあるモチーフを採用した。
しかし、これがクセモノだったのである。
配布日を含めた7月25、26日の日本ハム戦、7月31日〜8月2日のソフトバンク戦で6連敗。この敗戦を含めて、西武は球団ワーストを更新する13連敗をやらかし、記念ユニフォームが見事なまでに記録の片棒を担いでしまった。
あまり気が進まないが、念のためモデルとなった牧田和久と高橋朋己の成績を振り返っておこう。牧田は着用2試合目で日本ハム相手に6失点とコテンパンにやられ、高橋に至っても登板した4試合中3試合連続で失点するなど、ものの見事に負の連鎖に巻き込まれていた。
改めて振り返ると、秋山翔吾が安打日本記録を更新したとは思えない黒歴史なシーズンである。
このように西武は、年々配布ユニフォームシリーズの成績が悪くなっているのだ。筆者が冒頭で、「散々」と書いたが、本当に散々な成績であることがわかっただろう。
昨年があまりにもひどかったため、さすがに底は打ったはず。あとはここから配布シリーズの成績をV字回復させていってほしい。
それができれば、まだまだAクラスも狙える。ファンは心からそう信じている。
文=森田真悟(もりた・しんご)