今季からチームの再建を託された梨田昌孝監督の元、チーム状態が上向きつつある楽天。
3割打者こそいないものの、打撃陣には打率2割後半の選手がズラリと並び、つなぐ意識で活路を見出した。そのなかでキラリと光ったのは、新人王候補のルーキー・茂木栄五郎。また2年目のウィーラーも、27本塁打と気を吐いて打線にアクセントをもたらした。
投手陣では、則本昂大が4年連続の2ケタ勝利、美馬学と塩見貴洋の規定投球回数到達、釜田佳直の復調気配など収穫は多し。また安樂智大に先発の経験を積ませることができたことも大きく、ローテーションのベースができつつある。
今季のチーム成績にはつながらなかったが、来季以降の「種まき」と考えれば貴重なシーズンだったと振り返る日が来るはずだ。
前述のようにオールラウンドな野手、先発投手が揃ってきたところで、今年のドラフトに期待したいのはピンポイントの補強。
もちろん今年の目玉である田中正義(創価大)の指名は前提だが、それ以外は即戦力リリーフや和製スラッガーを狙いたい。
前者には3年連続60試合登板の福山博之のフォローを、後者には山崎武司以降助っ人に依存し続けている長打力不足解消の期待を込めて、だ。
それぞれの条件に合致する選手だが、即戦力リリーフでは140キロ台のストレートとスライダーを武器にする進藤拓也(JR東日本)を推したい。社会人野球に進んで台頭し、今季サイドスローにしたことでさらなる進化を遂げた。
和製大砲候補としては、188センチ92キロの恵まれた体格を持つ森山恵佑(専修大=写真)をピックアップ。神宮球場で推定135メールの本塁打を放ったこともあるなど、規格外のパワーは見どころたっぷり。
文=森田真悟(もりた・しんご)